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satchiiiemon9
【散文詩】 月を追い越せ
夜が終わると朝が来る、そう思っている人が世界にはたくさんいて、奥歯の裏に隠した月を舌で触れながら、いまが朝だと信じて疑わない人たちとすれ違う。わたしはいつだって星空に期待をしているし、燃えているのは太陽ではなく月のほうなんだと、光に手をあてるたびに思う。呪ってばかりの明日が笑うとき、生まれてはじめての朝が来る。
逆回転をはじめる時計の中には未来がないなんて、誰が言ったの。すべてを忘れたい日が時計にもあるんだよ、わたしたちはあまりにも、急ぎすぎてしまったのかもしれないね。
静けさだけが身体に絡まって、呼吸が楽になる。わたしは春の骨を拾うために、今日も森の中を歩いている。
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きみのために風は吹いている そう思えるのはきみのかけがえのない生活が、日々が、 言葉となって浮かんでくるからだと思う きみが今生きていること、それを不器用でも表現していることが わたしの言葉になる 大丈夫、きみはきみのままで素敵だよ 読んでいただきありがとうございます。 夜野