トキシックロマンス-劣等パラドックス-最終話
近頃この家に来る人間なんて大体見当はついたものの、鉛のように重たい叶汰の身体は動かなかった。居留守を使うか、どうするか。何時間も見ていなかったスマホを見ると、ショートメールの通知が大量に溜まっている。
「やっほう」
「今から行ってもいーい?」
「行っちゃおーっと」
「おなか空いてる?」
最後のメールからものの五分で、ジュリエットは叶汰の家に到着している。自分から連絡をよこしてくるなんて珍しい。それでも、とてもじゃないが人に会える状態ではなかった叶汰は天井を見ながら考えあぐ