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ヒリヒリしようぜ

先日、こちらの記事で過去に聴いていた音楽について触れた。


実に感傷的に記事を締めくくり、過去の記憶と共に厳重に鍵をかけ、心の奥底にしまい込んだ。
つもりだった。

しかし有難いことに、コメントでリアクションをいただき、それに対し私は、

「……えっ、え、そぅお?この曲いいとおもう?
ほかにもいっぱいあるんだけどナー」

と、厳重に鍵をかけてしまっておいたはずの蓋をいともたやすく開け、意気揚々とそれらを取り出し始めた。
私の『過去の感傷BOX』は、簡単に出し入れ可能であった。

そう、私は何を隠そう、

お調子者なのである。


「過去の音楽」と散々言っているが、過去に発表された曲であろうと、「今」の私の心を揺り動かすならばそれは、「今の音楽」なのである。

そんな、わかったようなわかっていないような理屈なんかどうだっていい。
宝箱をひっくり返すように、私が愛した曲たちを乱雑に並べていく。



海水浴 / JUDE


JUDE(ユダ)は元BLANKEY JET CITYのベンジーこと浅井健一さんが2002年に結成したスリーピースバンドである。
私はベンジーの音楽を愛している。私の青春は彼の音楽と共にある。

ブランキ―が活動していた頃、私はまだ自力でライブに行けるような年齢ではなかった。高校生になりバイトを始め、ライブに行けるようになる頃には解散してしまっていたので、私はブランキ―のライブに行ったことは無い。
ぼんやりとごまかしてきた年齢がそろそろバレそうである。

JUDE、前回の記事でご紹介した曲のSHERBETS浅井健一としてのソロのライブに行っていた。


友達 / SHERBETS


SHERBETS(シャーベッツ)は浅井健一氏を中心に結成された4人組ロックバンド。
ブランキ―が活動中の1996年にSHERBET(シャーベット)名義で活動を開始し、1998年に現在のSHERBETSになった。

JUDEもSHERBETSもブランキ―も名曲だらけであるので、ここでは私がリアルタイムで聴いていたJUDEとSHERBETSに絞りご紹介したいと思う。


中高一貫の女子高に通っていた私の周りには、音楽の趣味が合う人間は一人も居なかった。そもそも友達が少ないという事実はそっと脇に置いておく。
当時付き合っていた恋人と一緒にライブに行くこともあったが、私は一人で行くのが好きだった。

JUDEのポーテバック。丈夫で使いやすい。中にはPTAの資料が入っている。


なぜならば、会場に入るとそこには、同じ音楽を愛する人たちで溢れているのだ。まったく見ず知らずの他人であるが、同じ音楽を愛し、同じ時に同じ場所に集いあい、愛する音楽に浸る時間を共有する。そのことは私にとって、共感出来ない友人たちとの時間よりも濃厚で、喜びと安心感をもたらしてくれた。一人のほうがよりそれを感じた。ひとりじゃないと思えた。

だから私はよく一人でライブに行っていた。
黒いニーハイブーツで。


クリスマスと黒いブーツ /  BLANKEY JET CITY


……ああ!やっぱり出しちゃった!!ブランキ―を!!
そもそもベンジーを語ろうというのにブランキ―に触れないなんて

そんなの不可能に決まってるじゃないか!!

わたしのばか!!


Salinger / BLANKEY JET CITY


赤いタンバリン / BLANKEY JET CITY


MVを探していると懐かしい思い出が蘇ってくる。
↓こちらの「DERRINGER」を見た当時中学生だった私は、あまりのかっこよさに腰を抜かしたのを覚えている。今見ても、気が遠くなるくらいにかっこいい。

DERRINGER / BLANKEY JET CITY


当時はビデオに録画したものを、何度も何度も見たものだった。
その頃に見ていた、忘れられないライブ映像がYouTube上に残っていた。アップしてくれた方には感謝しかない。
今から30年前の、1994年1月16日にNHKホールで行われたライブ。
その中の、「悪いひとたち」の映像である。


悪いひとたち / BLANKEY JET CITY


この会場の隅々、ここに居た人たちの心の隅々までにも、愛が充満しているであろうことが、30年越しに見る映像からでも手に取るようにわかる。
涙が溢れてくる。
古い映像なので、イヤホンで聴いていると耳が少ししんどいが、是非最後までご覧いただきたい。
何よりも、この時ベンジーが歌ったこの曲が、よりリアリティを持って今この時代に必要になっているという事実に、胸が苦しくなる。


そう、ベンジーはずっと、世界に愛を歌い続けているのだ。
昔も今も、変わらずずっと。



新しい風 / JUDE



これらの私の美しい思い出の数々を今まで封印していたのは、何度かnoteにも書いてきた例の、10年にわたる暴力の末に私を軟禁したDV彼氏のところから逃げ出した際に、CDを全部置いてきてしまったからである。
服やその他諸々の私物はどうでもよかったが、宝物であるCDだけはなんとか取り返そうと交渉を試みたが、マトモな話が通じる相手ではなかった。
どうしても悔しくて、実力行使に出ようかとも考えたが、大量のCDと引き換えに命を落としては元も子もないので、やめることにした。

その後、全部買い直そうかとも思ったが、それもなんだか違う気がして、過去の思い出と共に封印していたのである。
ああ、胸がヒリヒリする。


SHERBETSのキーホルダー。ベンジーが描いたねこ。


今回noteの記事にしたことにより、私の身体を流れる血の三分の一くらいは彼らの音楽で出来ていたことを改めて認識出来た。
その機会を与えてくれたnoteと、私の記事を読んでくださる全ての方々に、この場をお借りして深く感謝申し上げたい。


最後に少しヒリヒリした心を浄化すべく、世にも美しい曲をご紹介してこの記事を締めくくりたい。

この曲を聴き終えたあなたの心の中には、一面の美しい花々が咲き誇る光景が広がっているであろう。


最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。



blue moon flower / JUDE


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