
星野 夜

☞星屑たちの記憶 prologue☜ ファンタジア。 それはこの世のものではないとされる幻想。 不思議な空気に満ち、魔法使いやドラゴン、人魚たちが存在している世界。 けれど、どうして彼らがいないものと言えるでしょう。 誰も目にしたことがないから? しかしなぜ、見たこともないものを私たちは想像し、思い描くことができるのでしょうか。 それは、こちらの世界とあちらの世界をつなぎ、均衡を保つために管理するものがいるから。 管理人は幾人か存在しますが、このお店ではその内の1人の女性の仕事を覗くことができます。 彼女の本名は誰も知りませんが一緒に住んでいる幼い男女の双子は“せんせい”と呼んでいます。 存在を知られてはいけないが、忘れられてもいけない。そんな繊細な二つの世界の関係を守り続けている女性が関わってきたおとぎばなしを私は“星屑”と呼んでいます。 申し遅れました。わたくしは星屑たちを拾い集め、記録する役を仰せつかっております、『星野 夜』と申します。 ご来店されたあなたには特別に、私がこれまで集めてきた星屑の一部をお見せ致しましょう。 さあ、ごゆるりとご鑑賞ください。