浮遊
まばゆい色の点滅、無数の光が差し込むフロアで、わたしは、自分だけがここに存在していない、と思った。存在していない、というより、存在することを認められない、と言った方が正しいか。わたしが間違っているのか、わたしだけが感じられないのか、踊り狂う人々は忙しく爛漫としていて、わたしと異なる世界を見ているのかもしれない、と思った。同じ言語を話しているはずなのに、うまく伝わらない。同じ時間を共にしているはずなのに、うまく感じられない。孤独感と疎外感は常に私の隣に存在していて、ふとした時にわたしの足元を掬い、わたしを地の底に貶めてゆく。ああ、そうか、わたしだけが、異なる空間に存在しているのだ。目線がうまく重ならない、わたしは人生をかけて人々と対話をする術を学んでいかなければならない。人々が何を考え、感じているのかさっぱりわからない、宙ぶらりんのわたしは、必死に空を蹴っておなじところをくるくる回っている。終わりのないレース、競争相手は己。異国の地に来たような心地、孤独と怪訝と未知への好奇、かわってるね、のことばを食べて強くなっていきたい。わたしはわたしを生きつづける。
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←これ実は、猫じゃなくて、狼なんです。