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がん相談支援者から当事者へ(その2)

さて、私にがんが分かったのは約6年前になります。
毎年の定期健診で異常が見つかりました。
ただ前年も同じように胃カメラをしていたのですが、結果は普通に慢性胃炎。
たまたま別の先生に胃カメラをしてもらったおかげで異常がわかりました。

病状説明に突然先生から呼ばれ、第一声が「いい先生紹介するから」。
何のこと?と思いつつ机を見ると、目の前には胃カメラの検診結果。
そこには「GROUP5」の文字。
一瞬「えっ?」。
GROUP5っていうのは末期がん?
いやあれはステージか。
ステージって4が末期だったっけ。
でもこれはがん確実ってこと?
一瞬の間に頭に浮かびました。

先生に「これはがんですよね」と確認するも、「まだ疑いだから、それにがんとしても初期だと思うよ」、と。
すぐに急性期病院への予約と情報提供書の作成をしてくれました。
よくがんといわれると頭が真っ白になるといいますが、真っ白というよりはその時点で悪いこと以外考えられない状態になりました。

それにまず悩んだのが、がんになったということより、家族にいつどういう風に話をしようということ。
特に妻は何年か前に妻の母が胃がんと分かり、かなりショックを受けていたことがあったので。
子どもたちはといえば、姉は駆け出しの看護師、弟は看護学生と一応は専門職です。
子どもたちはたぶんドライな反応だと思ったのですが、問題は妻。
朝仕事に行きがけに伝えてショックで事故なんか起こされても大変だし、夜に話をして眠れなくなっても困るし、次の日が休みの夜がいいのか、といろいろ考えましたが、先生の説明ではまだ疑いだし、仮にがんでも初期なら簡単に済むし、なにより妻のお母さんも手術をしてからも元気だし、まずは軽く伝えることにしました。

夜食事のあと、健診結果で引っかかったこと、別の病院に検査に行くこと、たぶん初期らしいから等々、できるだけ普通に。
帰ってきた妻からの言葉が「ほらーっ」。
何が「ほらーっ」かわかりませんが、たぶん私があまりに食べ物に気を付けてなかったからでしょう。
妻は体は食べるものでつくられるという考えのもと、食事にはこだわっています。インスタントはあまり好きではなく、買ってくるなら作る派。
一応私はお酒は飲まないし(飲めないし)、タバコも吸わないし、趣味はマラソンと意外と健康には気を付けてるほうなんですが、病気になるときはなるものなんですね。
とにかく意外にもあっさり(?)受け入れてくれたことに内心ほっとしました。
子どもたちはというとなまじ知識があるので、胃がんについてあれこれ言っていました。

ということで、ここからまずは詳しい検査と治療方法確認が始まります。
妻と私の闘病生活の入り口に立ちました。

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