「手取り」と「額面」ってどう違うの?課税支給合計と総支給額の違いって?
はじめましての皆さまも、以前お越しいただいた皆さまも
ご訪問いただきありがとうございます!
本日も元気に始めていきたいと思います!
本日の題材は、お留守番ひとり事務員さんがどうも沼ッてるみたいなタイトルについてです。(先日1年お付き合いしている事務員さんが、んんん?・・・と
思われる言動をしていたため、あえてとってみようとおもいました)
ここらへんは、【当然の前提】のようにどこでも扱われ、
そこを省いた先の説明はネットで検索ヒットすることができるけれど
肝心なわからない部分がボケていたりするのかなぁと思ったので、
書いてみます。
【額面】と【手取り】の概念
とりあえず基本のキに戻って一個ずついきますね(^^)
皆さま、毎月定日にお給料が入ってくる労働者の方でしたら、お給料日に給与明細を会社から何らかの形で渡されると思います。
そして、そのお給料からは一定の決まりに従って、ご自身の手元に来る前に差引される金額が複数あります。詳しくは後述しますが、これらの差引をされる前のぱやっぱやの満月金額が【額面】です。(^^)
対して、前述の【一定の決まりに従って差引される金額】には下記があります。
・いわゆる公的保険に加入されている方であれば、
社会保険料(狭義:健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料)(広義:雇用保険料)
・源泉所得税
・住民税(会社で天引きされるよう手続きされている方対象)
つまり、このようなものが【額面】から差引された額が振込なり現金支給なりで皆さまの手元に届く、その額が【手取り】=【手残り】とも言われたりします。
ここまでは大丈夫そうでしょうか?
社会保険料と所得税
ここでひとつ質問です。
所得税と社会保険料ってどういう風に給料上計算されているのか仕組みがおわかりになりますか?
お留守番ひとり事務員さんがどうやら沼ッっていたのはここのようでした。
ひとつひとつ説明していきますね。(*‘∀‘)
➀社会保険料(広義)=健康保険+介護保険料+厚生年金保険料+雇用保険料の合計
一つ目は健康保険、介護保険、厚生年金保険です。
こちらは変わるタイミング以外は原則として年間同額で差し引きされます。
その年間額は毎年8月に決定され、9月~翌8月まで適用されます。
そして、給与額から差し引かれる額は、ご自身が支給された4~6月の給与【額面】の3か月平均をとって決定されており、その保険料額は料額表という形であらかじめ決定されたものを適用します。ですので、変動するタイミング以外に給与額に応じて毎月変動する、ということはありません。
ただ、雇用保険料の本人負担分だけは毎月支給される【額面】に対して雇用保険料率を掛けて算出する必要があります。
※この料率は変更があるとすれば例年3月くらいに厚生労働省から発表になり、4月支払い分から変更になります。またお勤めの会社の業種が何かによって料率が異なりますので、3月くらいには情報をチェックするようにしましょう。
ちなみに令和5年3月の発表はこちら
②源泉所得税の計算
二つ目のそもそもおおもとの理解なのですが、
税金というものは税金をかけることができないものにはかけることができません。
ということは、お給料の中に税金をかけることができないものが混じっていれば、それを先に取り除いておく必要があります。
➀にあげた社会保険料は典型的な”非課税”項目です。
ですので、源泉所得税を計算するためにはまず➀を真っ先に取り除く必要があります。なぜなら、【非課税=税金をかけることができない】からです。
その次の典型例が通勤費です。
詳細は下記国税局ホームページに解説がありますが、
この限度額を超えて支給される分は課税になりますのでご注意ください。
(つまり限度額を超えて支給される分は税金をかけることができるため、取り除くことができません)
通勤費は上記のように一定の限度額までは”課税することができないもの=非課税”にあたります。ですので、こちらもルールに従って課税できる額から取り除いておく必要があります。
こうして、支給される給料の中から”課税できるものの合計”が導きだされます。
”課税できるものの合計”(課税支給合計)
=【額面】額−【課税できないもの(1)社会保険料】-【課税できないもの(2)非課税分の通勤費】
となります。※例外あり
ご自身の給与明細を見ていただければ、”課税支給合計”もしくは”社会保険料控除後合計”となっている部分が【税金をかけることができる部分ですよ~】といっているということですね。
こうして税金仲良しグループを計算することができ、それに対して
税額表をあてはめて源泉所得税を計算する、という流れになります。
まとめ
私に相談のあった方は、ヒアリングを重ねた結果、
◆社会保険料(広義=雇用保険料を含む。実際毎月計算が必要なのは雇用保険料のみ)は、
・事業所の事業種類ごとに料率が異なる
・雇用保険料の計算は”その人に支払われる総額”に対して行う
という部分の理解が前提として少し弱かったと思われます。
ですので、そこについては説明の上修正できました。
問題は下記の通勤費です。
◆そのうえで、通勤費もルールにのっとって税金をかけることができない(非課税)部分がある(=【額面】から取り除く)
・その”課税支給合計”を税額表にあてはめて所得税を求める
これが基本に忠実な社会保険料と所得税の計算方法になりまして、今回、再度その点について認識を共有させていただきました。
(※住民税はまた別な機会のお話とさせていただきます)
今回ご相談のあった方は
(1)雇用保険料の計算は【額面】額に料率を計算して行う
(2)”源泉所得税”の計算と”社会保険料”の区別があいまいだったのでは?
(3)お給料額のうち、”課税”できる部分の認識があいまいだったのでは?
という感じに見受けられましたので、
その部分を集中してお伝えしました。
これで来月このひとり事務員さんが快適に事務を執り行うことができますように・・・。
(本人は”もう絶対大丈夫!!”と言ってましたので、信じましょう!)
本日もここまでお読みいただき、誠にありがとうございました!
また次回の記事でお会いできるのを楽しみにしております。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?