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第54回「知ってみよう、聞いてみよう」 相次いで出された添加物の甘味料への警告
最近、食品添加物の使用傾向が少し変わってきました。危険な添加物の代表格とされた合成保存料や着色料の使用が減ってきました。しかし以前と変わらず使用されている危険な添加物が「甘味料」です。低カロリーを売り物にした食品によく使われます。その甘味料について国際組織が最近、相次いで警鐘を鳴らしました。
まずWHO(世界保健機関)が、ダイエットやがん、循環器系の疾患、糖尿病などのリスクを減らすために摂取しないようにと警告しました。その甘味料の代表がアスパルテームです。以前から、脳腫瘍などの発がん性が疑われてきました。警告された甘味料は他にもアセスルファムK、スクラロースがあります。これらは難消化性でカロリーゼロです。そのため分解されず体内をめぐり主に尿と一緒に排出されるため、肝臓や腎臓への負担を大きくし、同時に下痢を引き起こしやすくします。同時に、体は甘いものを摂取しますので脳や膵臓などが反応し、血糖値を下げたり、インシュリンの分泌などを促進します。
もう一つの国際組織がWHOの専門家機関のIARC(国際がん研究機関)で、アスパルテームを発がん物質のリストに掲載しました。アスパルテームの発がん性については、1970年代から研究が行われてきました。その中で多くの論文がその危険性を指摘していました。1990年代には米国で医師たちによる使用許可の取り消しを求めた運動がありました。やっと発がん物質として認められたのです。
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<プロフィール> 天笠 啓祐氏
日本消費者連盟顧問。食の安全、遺伝子組み換え食品に精通するフリー・ジャーナリスト。