勧善歌 字解の蛇足説明 其之二

勧善歌 字解の蛇足説明 其之二

【第六善】
威儀……「威あって畏るべき之を威といい、
    儀あって則るべき之を儀という」
 に近い一文が『愛媛大学機関リポジトリ』にあった。
 「威あって畏れるべき之を威といい」で検索するとヒットする。
 クリックしてPDFのダウンロードをし、PDFの6頁に
  威有りて畏れるべき、之を威と謂い、
  儀有りて象るべき、之を儀と謂う。
 とあるのを確認されたい。

【第八善】
無輗無軏……『論語』の《梁惠王章句下》10より

 子曰、人而無信、不知其可也、
 大車無輗、小車無軏、其何以行之矣
   子ののたまわく、人にして信なくんば、
   其のなることを知らざるなり。
   大車げいなく、小車げつなくんば、
   其れ何を以てかこれをらんや。

岩波文庫「論語」金谷治:訳注

李下云々……李下之冠瓜田履の一句
 古楽府題・君子行、「列女伝」に見られる。
  Webサイト「レファレンス協同データベース」より
https://crd.ndl.go.jp/reference/entry/index.php?page=ref_view&id=1000333130

 君子くんしこう (楽府がふ題)
  君子防未然 君子は未然に防ぎ
  不處嫌疑閒 嫌疑の間にらず
  瓜田不納履 瓜田かでんくつれず
  李下不正冠 李下りかかんむりたださず
  嫂叔不親授 そうしゅくみずから授けず
  長幼不比肩 長幼は肩をならべず
  勞謙得其柄 労謙なれば其のへい
  和光甚獨難 光をやわらぐること甚だ独りかた
  周公下白屋 周公は白屋はくおくくだ
  吐哺不及餐 きてらうに及ばず
  一沐三握髪 一沐いちもくに三たび髪を握り
  後世稱聖賢 後世 聖賢せいけんしょう

岩波文庫「文選 詩篇(四)」

「列女伝」辯通-斉威虞姫
  經瓜田不躡履、過李園不正冠、妾不避、此罪一也。
   瓜田をくつれず、
   李下を過ぎて冠をととのえざるに、
   しょうこれを避けざりしは、
   罪のいつなり。

 角川ソフィア文庫「中国故事」飯塚朗:著
  (【中國哲學書電子化計劃】にて検索)

誠則明……『中庸』朱子章句第二十三条

 自誠明謂之性 自明誠謂之敎
 誠則明矣 明則誠矣
  誠なるより明らかなる、これを性と謂う。
  明らかなるより誠なる、これを教えと謂う。
  誠なれば則ち明らかなり、明らかなれば則ち誠なり
  「誠」とは動かぬもの、宇宙の中心に立つこと。
  「誠なれば則ち明らかなり」。

長良川画廊 Webミュージアム 山本五十六
https://www.nagaragawagarou.com/sakuhin/isoroku-d086.html


【第九善】
正氣歌関連……「正氣歌と正氣歌」
https://note.com/yorodu_no_iori/n/nad1548c5f8e2?sub_rt=share_pw

庶績雍熙……書経 堯典

 (前略)克明俊徳、以親九族。九族既睦、平章百姓。
 百姓昭明。協和万邦。黎民於変、時雍
 【黎民れいみん ここに変じ、れをやわらぐ】
 (中略)帝曰、咨汝羲曁和朞、三百有六旬有六日。
 以閏月定四時、成歳。允釐百工、庶績咸熙
 【まこと百工ひゃくこうおさめて、 庶績しょせき おこる】

角川ソフィア文庫「書経」山口謡司:著


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