個人と多拠点とBCP
BCP=Business Continuity Plan
だいたい2011年頃のこと。サテライトオフィスという言葉がメディアに出るようになり始めた時に、サテライトオフィスのメリットの中に、”BCP”という言葉が出始めるようになった。
事業継続計画、という訳になるようで、企業(特に大企業)では社内で計画し保持・状況に合わせて実行されるものらしい。
ここでは、企業的なBCPの内容等を記載するつもりはなく、ふと考えたのは個人事業とBCP、あるいはそのための多拠点を持つ、という選択について。
二拠点ワーク、多拠点ワークという言葉が見られる。例えば、東京と尾道の二拠点で仕事を持つ様なことを指すようだが、東京と大阪、名古屋と尾道、白浜と尾道のように、都市と地方の掛け合わせで二拠点はいろいろなパターンが成り立つ。一般的には、「都市と地方」という組み合わせがイメージされる。
個人の方あるいは個人事業主でのBCPという考えはあまり見かけない。どちらかというと上記で触れたとおり企業活動のなかでのワードである。しかし、今回のような新型コロナや災害などで、ある地域を離れて別地域で業務を続けるというのは、ある種BCPと言えないか、とふと考えたのである。
別地域で業務を続けられる業種は、よくイメージされるのはSE、クリエイターなどPCで作業が進められる業種。またはバックヤード業務をクラウドで管理している企業の担当者。最近では営業活動もテレワークで!という広告も増えている。難しいとされるのは、実店舗がある業種や、対面でサービスを行う業種などとされる。
以上整理しつつも、私がふと思ったのは、多拠点で働くことが可能であれば、BCP=事業活動が止まることを避けられないかということである。例えば実店舗でのサービス。飲食店の場合、シェアキッチンを使えば(シェアキッチンがあれば)主となる店舗以外の地域でも仕事を作ることが可能かもしれない。スタジオを借りられれば、マッサージやネイルなどを行うことができるだろう。※実店舗は、休業するか、他のスタッフで動かすか、希望者に貸す(シェアする)という選択も取れるかもしれない。
今回のコロナの場合、一斉に外出自粛となったので、移動そのものが忌避されることになったが、もし移動ができるとき、都合が取れれば、他拠点での活動の基盤を探っておくということが個人活動におけるBCPになるのではないか、とふと思ったのは移住サイトでの希望者との会話の中でそう感じた。多拠点ワークの希望者は、気分が変わる、違う場所で違うことをやりたいという声もあれば、ご家族の都合で地元に戻らざるを得ないなど様々であるが、事情もふまえて、BCPという観点で仕事のやり方を考えることもできるかもしれない。
※文中にある移住サイトは『SMOUT』というサービス、現在掲載中ですが、移住という言葉でなく、その前段階。まずはその地域を知ってもらおうというファーストコンタクトをしやすいようなプランです。多拠点先を探すきっかけとしても活用いただけるかもしれません。
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