「写ルンです」と旅に出てみた。
一目惚れをして、ずっと気になっていたNikonのデジタルカメラ。
ある日一大決心をして、ヨドバシカメラのレジに持って行ったのがだいたい1年前です。
あんな写真を撮ってみたい、こんな写真を撮ってみたいと「シャッタースピード」とか「絞り」とか「ISO感度」とか「露出」とか、一通り言葉を覚えて、操作も馴染んできました。
そして写真が好きになると、他のカメラも気になる存在になっていきます。
私が次に手に取ってみたくなったのが、「写ルンです」!
中学生の時の修学旅行に持って行ったのですが、当時フラッシュの存在を知らなかった私は真っ黒な写真を量産しました。
(全然写ってないじゃん)
と思った記憶。
旅行中のうきうきシャッターを切った気持ちが真っ黒な写真を見るほど萎んでしまって、ちょっと悲しかったのを覚えています。
だからこそカメラというものに少し馴染んだ今、もう一度撮ってみたいなと思いました。
そしてやっぱりカメラを買うのはなんか非日常な感じがして勇気がいるので、「ゴールデンウィーク」という口実でえいやっと2つ、次はカメラのキタムラのレジに持って行きました。
ゴールデンウィークを思う存分使って旅した場所
1ヶ所目は和歌山県
2ヶ所目は福井県〜滋賀県です!
1ヶ所目、和歌山。
ほんとはサービスエリアで食べたしらす丼を記念すべき1枚目にしようと袋を開けたのですが、
ぶわっと放たれるフィルムのにおいを嗅ぐと、
葛藤が湧きおこりました。
全部で27枚、和歌山旅行は2泊3日。
1日9枚撮るとして、1枚目をサービスエリアとかで撮っていいものかと。
結果的に1枚目は、旅の仲間に記念撮影してもらうことになりました。
1枚使っちゃうと、なんか心の糸がするする解けるようにシャッターを切るのが楽になります。
1枚目を誰かに委ねる。
撮るのが怖い人におすすめです。
インターネットで調べると曇りの日や屋内撮影は基本的にフラッシュを焚いたほうが良いと書いてあったので、曇りが多かった和歌山旅はほとんどフラッシュを焚いて撮影しました。
那智の滝や、橋杭岩、紀の松島めぐりで船から見えた景色など、大自然をフィルムに収めていきます。
撮るのに夢中で、レンズに指がかぶってたかもしれない...
とか、フラッシュ焚いて逆に白飛びしないかな?
とか、時折やってくる疑心暗鬼。
ほんとにこれでいいのか?
と拍子抜けする手応えのなさ。
一生懸命ピントを合わせて試行錯誤する作業もないし、
シャッター音もパシッみたいな乾いた簡素な音だし、
どう撮れているかも謎のまま。
ただ、和歌山ではどうしても夕焼けの海を写ルンですで撮りたかった!
和歌山の夕焼けの海はほんとに美しかった。
残り少ない枚数の中で、綺麗じゃなくてもいいからどうか写っていますようにと力を込めてシャッターを切りました。
2ヶ所目、福井〜滋賀。
福井は恐竜博物館へ行きました。
館内ではフラッシュを焚けないので、
外にあった大きな恐竜モニュメントを撮りました。
色合いがパステルカラーで可愛くって、
写ルンですで映えそうだったから。
あとは福井駅前の大きな恐竜や、恐竜博物館からの帰りに車窓から見えた景色、レインボーラインの海と空。
とりあえず、撮りたい!と思ったものを直感的に。
この時はもう結構、写ルンですのよく分からん感にも慣れて、よく分からんなりにバシバシ撮っていました。
滋賀県ではグランピング施設のBBQの炎。
フラッシュの光なしで炎の光をとったらどうなるんだろうという好奇心で、夜だけどシャッターなしで撮りました。
最後はラコリーナ近江八幡でフィニッシュ!
帰ってきたその足を、そのままカメラのキタムラに向けて現像をお願いしに行きます。
「全部データでダウンロードしてもらって、その後好きなものだけプリント機でプリントしてもらうのがおすすめです」
と教えてもらったので、そうしてもらいました。
「基本的にはカラフル、ハイキー仕上げで現像するのがおすすめです」
と教えてもらったので、ではそれもお願いしますと全てお任せしました。
出来上がるのは1週間後。
1週間てちょうどいい期間だなと思いました。
フィルムカメラの良さは待つ時間があることだとよく聞きますが、待たされ過ぎると撮った時の気持ちが冷めて、思い入れが薄まる気がするので。
1週間だとずっと心の片隅に「あれ、どうなったかな?」という楽しみな気持ちが残っています。
どうなったかな?と思っても、兎にも角にも現像してみないと分からないから、待つしかないのですが。
1週間経って、またお仕事帰りの足をそのままカメラのキタムラへ伸ばします。
データをダウンロードするQRコードをもらってお会計して、いそいそ車へ戻ります。
暗くて手元がよく見えない中、アプリから写真をダウンロード。
撮った写真がひとつのスクリーンの中に並べられると、27枚ってこんな少なかったっけ?
と不思議な気持ちになりました。
なんかめっちゃいっぱい撮った気持ちでいたから。
そんで、もしかしたら自分は写真がとっても上手くなったのもしれないと舞い上がりました。
数枚暗い写真がありましたが、全部綺麗に写っています。
とりあえず、曇ってたらフラッシュ焚く作戦は成功みたいです。
多分、現像をカラフル&ハイキーにしてもらったのも良かったんだと思います。
ありがとうキタムラさん。
あと、待ちに待ったのでその分の感動もプラスされていました。
撮れた写真たちを紹介します。
1番撮りたかった夕日の海
これが1番感動した
白飛びしちゃうかもしれないし、それは仕方ないと思っていたんだけど。
水面に反射する日の光の色があまりにも綺麗で、びっくりした。
デジタルに慣れすぎているので、フィルムでこんな曖昧なグラデーションが撮れるのが不思議。
光の色がそのまま写っている感じ。
すごいぞ写ルンです!
続いて福井〜滋賀
青色もとても印象的な爽やかブルーです!
ちなみに、
写ルンです本体の価格 ¥1,980-
現像料金 ¥950-
スマホ転送 ¥880-
高画質オプション ¥1,100-
カラフル仕上げ ¥110-
ハイキー仕上げ ¥110-
で合計 ¥5,130-でした!
決して安くはない出費だけれど、
中学生のときのささやかな挫折が解消されて、また写ルンですを旅のおともにしたい!と思えるようになりました。