道草植物図鑑No.17「ハマスゲ」
カヤツリグサ科の1番の特徴は、
茎の断面が丸 ○ ではなく、三角 △ なこと。
最初それにとても驚きました。
なぜ三角なのだろう?
角があったほうが茎が折れにくいからかな?
そもそも茎はどうして丸い種が多いんだろう?
ちなみに、シソ科は四角 □ が多い。
なら、茎は何角形まであるんだろう?
考え出すと、不思議なことが沢山あります。
それはさておいて、
「この植物はカヤツリグサ科だ!」とわかっても、
種類を見分けるのは結構難しい!
カヤツリグサ科はみんな同じに見えるのです。
花の形をよ〜く観察しないと分かりません。
そんな中で、ハマスゲはとても見分けやすいカヤツリグサ科植物です。
花火のように広がる、赤色の花序が特徴。
赤は赤でも艶のある、ルビーのような赤。
太陽の光を受けるとキラキラと輝いてみえて、群生しているととても綺麗!
「ハマ」スゲというだけあって、砂浜でよくみられるそう。
ただ乾燥に強いという特性から、かんかん照りの河川敷や、アスファルト舗装されている道でも逞しく生育しています。
また、地下茎で繋がり合っているので、引き抜こうとしてもびくともしません。
とても強い植物です。
とにかく、宝石のような艶のある赤が好き。
日当たりの良い場所で、お日様の光を浴びている姿が個人的撮影ポイントです。
あおって撮影しても、魅力が際立ちます。
花に近寄って撮影すると、くるくるした白い糸みたいなものみえます。
この白い糸が雌蕊。
さらにもっと近くでみると、下のほうに黄色い花粉を纏った雄蕊があることもわかります。
また、地下茎の先にできる塊茎からも増えることができます。
この塊茎、「香附子」(こうぶし)という生薬にもなるそうです。
様々な効能があるようですが、この美しさと逞しさをぜひ分けてほしいものです...!
ハマスゲ
Cyperus rotundus
カヤツリグサ科カヤツリグサ属
在来多年草
花時期 : 7月〜10月
生育地 : 路傍、空き地、砂浜など
出典 : 形とくらしの雑草図鑑/岩瀬徹・飯島和子
身近な雑草の愉快な生き方/稲垣栄洋・
三上修
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