人を振り向かせる言葉とは、「魅力的な情報」である
突然ですが、この封筒、どのくらいの大きさだと思いますか?
わたしの会社のデザイナーがデザインした封筒です。すてきですよね。
さて、大きさはどのくらいでしょう? ヒントは「封筒」で「わたしの会社でよく使うサイズ」ということ。
みなさんは正直いま、困惑していると思います。いきなりクイズ? いったい何が言いたいんだろう…と。
いちばんの問題は、「わたしの会社でよく使うサイズ」という説明。まったく大きさのイメージが浮かばない、主観的な情報です。
主観的な情報だけでは、どんなものか伝わらない
わたしはみなさんに「封筒」「わたしの会社でよく使うサイズ」という情報しか伝えませんでした。
「封筒」には、「おもに紙製で、何かを入れるために使うもの」という情報がありますが、たくさんの形状があって一つに特定できませんよね。
具体的にイメージするにはもっと情報が必要なのに、「わたしの会社でよく使うサイズ」では主観的すぎて、何の情報もないのと一緒です。
「わたしの会社でよく使うサイズ」をみなさんは知らないのですから。
つまり、それがどんなものかを正確に伝えるには、自分だけがわかる情報ではなく、客観的な情報が必要なのです。
封筒の場合は「大きさ、重さ、素材、用途」など、ほかの人と共有できる情報です。さっそく、書き直してみましょう。
「わたしの会社でよく使うサイズ」と比べて、封筒のイメージがハッキリしませんか?
書類が入るということは、ある程度大きいとわかります。でも、まだ情報としてはぼんやりしている。
書類と言われても種類が幅広いため、正確な封筒の大きさはつかめません。
それなら、これはどうでしょう。
かなり具体的になりました。ここまで書いてあると、封筒の大きさはイメージできますね。
でも、客観的な情報だけでは足りない場合も実はあるのです。
客観的な情報だけでは、人は動かない
わたしがただ封筒の大きさを伝えたいなら、それがイメージできる客観的な情報を書けばOKです。
でももし、この封筒について興味を持ってほしいなど、相手に行動を促したい場合は情報をもっと工夫したいところ。
例えば、こんなふうに書いてみます。
「世界に50枚だけ」「デザインされている」という情報を入れて、A4サイズの情報は後退させました。
興味をひくためには、大きさより、希少性とデザイン性を強調しようと考えたのです。
いくつか情報があるときは、すべてを並べて書いてしまうのではなく、優先順位を決める。
相手にとって魅力的な情報とは何かを考え、すぐ目に入るところに書くようにすれば、行動につながりやすくなります。
人を振り向かせるのは、魅力的な情報
言葉には、自分だけがわかる主観的な情報、ほかの人と共有できる客観的な情報、そして行動につながる魅力的な情報の三つがあります。
会話でも文章でも、ものごとを正確に伝えたいときは主観的な情報ではなく、客観的な情報が大事です。でも、そこに魅力的な情報がないと人は振り向いてくれません。
相手に魅力的な情報だと感じてもらうためには、どんな言葉を使えばいいのか。
わたしも日々、コピーライターとして向き合っている課題です。
まずは身のまわりで、自分自身が魅力を感じる言葉を探してみる。それはなぜなのか、という視点で掘り下げてみると勉強になると思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。参考になる情報があったよ〜という方は、スキやフォロー、コメントをぜひ。よろしくお願いします。
文:シノ
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