わかりやすい文章は、1つの文章に1つの情報を入れる
わかりやすい文章を書くうえで、古典的なルールがあります。それは、一文一義。一文一意とも言って、1つの文章に1つの情報を書くことを意味します。
同じ文字数でも、読みやすさが違う
具体的にどういうことなのか?ビジネスメールを例に読んでみましょう。
まずは、一文に複数の情報が入っているもの。
読めなくはないですが、3つも情報(①別案を加えたこと、②企画書を作ったこと、③確認のお願い)が入っているので、ごちゃっとしていますね。
これを一文一義の文章にしてみると、
内容も文字数も同じなのに、スッと読みやすくなったと感じませんか?
メールはその場で考えると、だらだらと長い文章を書いてしまいがち。わたしは送る前に見直して、長文や複雑な文は区切るように修正しています。
なぜ、一文一義がわかりやすいのか?
一文に複数の情報が入っていると、頭の中はこのようなイメージになります。
情報が積み重なり、複雑になっていく。頭の中で情報を整理して理解するまでに時間がかかります。
対して、一文一義の文章は1つの情報ごとに「。」で区切りがつくので、前の情報を引きずらずに次の文章を読み進めることができます。
一文一義のメリットをまとめると、
となります。
広告は、1ビジュアル1メッセージ
広告の場合も、一文一義に似たルールがあります。1ビジュアル1メッセージ。つまり、1つの広告で伝える内容は1つ。
キャッチコピーをイメージしてもらえばわかりやすいですね。広告は短期決戦なので、スピード感も大切。1メッセージのキャッチコピーは短くできるので、伝わる速度も速いです。
もちろん、クライアントさんからすれば他にも言ってほしいことがありますから、そういう場合はボディコピーで説明したり、広告をシリーズ物にしませんか?という提案もします。
せっかくだから盛り込みたい!とたくさんメッセージを発信しても、受け手はすべての情報を追ってくれるわけではありません。むしろ、情報が多すぎると忘れてしまう可能性があります。
新生活の時期、会社や学校で行われる自己紹介タイムを思い出してみてください。
人数が多い場合、その場で一人一人に残るイメージや情報は一部じゃないでしょうか?
特技は覚えてる。肩書きや同じチームであることは覚えてる。ひどいときは、髪の色が明るい...とか見た目しか覚えていないような(笑)
新しい情報は、いっぺんに頭に入りにくいもの。そのようなリスクを考えると、広告は1メッセージで狙い撃ちするほうが印象に残りやすいのです。
一文一義にするときのコツと注意点
機械的に一文一義にすると、不自然な文章になってしまいます。そこで、慣れるまでは以下を参考にしてみてください。
・「ので、」「し、」が出たときに区切ってみる
文章をつなげるときによく使ってしまう語句です。
・「です」「ます」続きにならないよう注意する
単調な文章にならないよう、語尾のリズム感を意識しましょう。
・一文は50文字前後までが読みやすい
諸説ありますが、一文は長くても40〜60字で収めましょう。メールの場合は、1行20字前後に収めて改行するのがおすすめ。厳密にこだわる必要はないので、あくまで目安としてくださいね。
・情報が多ければ箇条書きにする
パラパラと情報が続くようであれば、文章にするよりも箇条書きにしたほうがスッキリします。箇条書きは、自然と一文一義になるので便利です。
最後に、一文一義はあくまで原則なので、場合によっては一文二義になっても問題ありません。大事なのは、読み手にとっての読みやすさです。
日頃のビジネスシーンで役立つ文章術なので、ぜひ今日から意識してみてください。
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それでは、また。
文:ハギ
@よりみちコピーライター
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