「心の弦を鳴らす」ー禅と芸術
昨日、この2年、伺えなかった
湯河原の禅のご老師、重森一露(しげもりいちろ)先生のところへ
兄弟子的な存在のいぐちさんとご一緒に伺いました。
2年前まで何度も通わせていただき
禅の考え方と、それをもとに
特にわたしには、音楽の糧になるだろうと
芸術のことをたくさんお話しくださいました。
禅僧の最高位まで与えられるほどであった
仙厓和尚の、
なんの衒いもない 素朴な、ユーモラスな絵
白隠和尚の 一瞬たりとも気が抜けていない、気迫に満ちた絵
庭に這いつくばって何時間もアリを観察し続けた、熊谷守一さん
鮮やかで堂々たる赤富士の絵が有名な片岡球子さんや、
昨年107歳で亡くなられた書家の篠田桃紅さん
音楽では、武満徹さん
などなど。。
自然や対象と一体化するように
技術を超えて
自我を超えて
ただ、ほとばしるままにこの世界にある生命を
表し続けた先人たちの
珠玉の言葉や、あり方を
数々の作品の載った画集を開きながら
いつも何時間もお話しくださり
あらためて振り返ると、宝物をたくさんいただいてきました。
昨日もそんな時間。。
私は、禅はなかなか身に付かず、なんちゃってなのですが💦
真摯に学ばれている兄弟子いぐちさんとも、一緒にお話しできるのも楽しく有意義で
御年88歳になられた先生の
お一人で、湯河原の山の中腹に暮らしながら
先人と同じく、ありのままに穏やかに充足されているお姿に
限りない尊敬を覚える、いつまでもお話ししていたい幸せな時間でした。
・・・・・・・
郷里への想いをうたった重森先生の詩に、
曲をつけさせていただいた
「故郷(こきょう)」という曲があります。
来月のコンサートで、久しぶりに演奏できたらいいなと思っています。
「耳を澄まして
心の弦を鳴らす
なつかしき人の音が聴こゆるか
その調べは
扇山に消ゆ」
この「故郷」、「扇山(おうざん)」のある広島県府中市上下町は実は、重森先生、いぐちさんのお母様、そして私の父の郷里であり
それにまつわる、なんとびっくりなエピソードがありますが
長くなるので それはまた改めて、コンサートの中ででも、お話しできたらいいかな、、
You Tubeにもこの曲はアップしていますので、よろしければお聴きください。(今聴くと随分、声が幼い?ですが汗)
この世は、目に見えない不思議なことがたくさんありますね。そして、それはとてもありがたいことですね。
ネコヤナギ楽団 新春泣き笑いライブ
2/27(日)13:00〜
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