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税金を分かりやすく面白く解説した本 103万円の本当の「壁」とは?

「まさかの税金ー騙されないための大人の知識」
 三木義一
 ちくま新書
 2025年1月10日 第一刷発行

 東京新聞の木曜朝刊の「本音のコラム」で取り上げられた税金問題をさらに分かりやすくまとめたもの。
  ダジャレ混じりのコラムで、ご隠居と八っつあんのやりとりになっていて新聞で面白いなと思って読んでいたら、本になった。著者は税法の専門家だが、分かりやすい。

第一章 政治家たちの迷走

1   パーティー券収入と税 2 議員を助け、庶民を挫く国税庁 3 賄賂は続くよ、どこまでも 4 議員歳費削減の裏 5 1日100万円? 6 昭恵さん、税金は? 7 キツネかタヌキか  8  投票率と義務投票制 9  内閣官房機密費  10  公約か賄賂か 11   首相の息子たち 12 学問の自由と税金  13  減税すれば税収が増える? 14 安易な減税

 最近の政治家たちのごまかしが書かれていて、腹が立つ。

第二章 災害と税

15  災害と防災予算 16  所得税ー能登の申告

17  消費税のゼロ税率
  『能登地方は今後10年間消費税0%特区にすべき』と書いてあり、非課税とゼロ%の違いが説明してある。非課税というのは売上には課税しないが、仕入れの時の消費税も返さないというもので、ゼロ%にすると納税義務を負うので、仕入れにかかった消費税を控除できる。日本医師会がうっかり非課税を要求してしまい困って、今、非課税をやめて軽減税率の適用を求めているらしい。その方が仕入れの消費税を戻してもらえるから。ゼロ%の納税義務を負った方がさらに良いので能登はゼロ%にすれば良いという提案。

18 寸借詐欺ー復興特別税から森林環境税へ
 期限が来ると廃止せずに別の名前で取り始める。
せこい詐欺師が行うと寸借詐欺、国家が行うと税制改正になるそうだ。

19  23兆円の感謝と地域の再建 20 シロアリ培養予算

第三章 所得税・法人税

21  103万円の“本当の”壁
 健康で文化的な最低限の生活を憲法が保障しているので、健康で文化的な最低限の生活費に課税してはならないので基礎控除がある。
 103万円というのは、現在の基礎控除の48万円とサラリーマンの給与所得控除の最低値の55万円を足すと103万円になり所得税がかかるということ。103万円というよりは基礎控除48万円が据え置かれ続けたために生じた問題。1995年に基礎控除が38万円に引き上げられたもののその後変わっていない。また2020年に48万円に引き上げられたが、給与所得控除は10万円引き下げられたため、サラリーマンは実質30年間据え置かれたのと同じ。諸外国は毎年のように見直しているので、給与所得控除を入れても5カ国(日本 米国 英国 ドイツ フランス)の中で最低になってしまった。個人の課税最低限が、単身者の場合は英米独の約半分、仏の約四分の一にまで下がっている。
八っつあんも「そんなに低い収入から課税! 情けねぇ〜」と。
 現行の所得控除方式だと基礎控除を見直しても高所得者に有利になる問題もあり、税額控除やその他の方法があるのか、検討してほしいと。

22 賭け麻雀  23 カジノ税制  24 賃上げと金融税制   25 N分N乗?  26  寡婦控除からひとり親控除へ 27 所得控除、税額控除、児童手当  28 オレオレ詐欺と税  29  イニエスタ選手と二重課税 30 フランスの源泉徴収 31 年末調整廃止論  32 加算税ー窓口は何も教えてくれない  33  確定申告とは?  34 無申告か仮装隠蔽か 35 法人税ー交際費  36  法人税ー報酬かお年玉か 37 法人最低税率 38 格差是正のための法人税改革構想

第四章 消費税・相続税
39 累進的消費税  40 総額表示でも忘れない  41  軽減税率のデメリット 42 インボイス導入はなぜ?  43  消費税と外国人観光客 44 配偶者移住権   45 危ない相続税回避策  46  帰国できない 47 戦死か陣没か

第五章 間接税・地方税
48 ビール党に朗報!   49  出国税の理屈 50  公売に御用心 51 高速道路無料化の夢の夢 52  鉄道と固定資産税 53 ゴルフ場利用税  54  空き家税という逆説 55 ふるさとNO税

第六章 税と社会をめぐる理想と現実
56 税務署は給付もする?   57  節税指南コンサル 58 不正発見ランキング  59  国民負担率マジック 60 税制改正いたちごっこ!   61  税金養子 62  脱税の温床?ースイス銀行法47条 63 社会保険料と税の違い?   64 拳銃税
65  ひげ税 66 皇国租税理念調査会  67 10分の1税ー何%の税金?  

68 血税の不平等
 血税の意味 国民が血の滲むような苦労をして払った税をなぜこんな無駄なことに使うんだ、という意味で使うのは、誤用。
 本当の意味は「兵役」1872年(明治5)年11月の「徴兵ノ詔」から。生きた血でもって国に報じよというような事が書かれている。(本ではキチンと解説している)世界中にこの血税が実施されたのが、第一次、第二次世界大戦。血税負担者は貧しい庶民。どの国でも、富裕層は賄賂で、家族を戦場に送らなかった。普通の税金も不公平だし、血税も不公平だった。今も。

血税の意味は知らなかったし、今のところ日本では血税がないのは良かった。

69 超富裕者課税ブレイクスルー

社会保険料と税の違いもよく分からないし。わざと複雑にして都合よく使っている官僚や学者に騙されないようにしたい。

給与所得者の時は給与明細も良く見ていなかった。いっぱい引かれるなぁと思っていたくらい。
夫が会社を持ってから、インボイスのせいで、消費税も発生し、税の計算は税理士に任せているけれど、難しい。
自分で確定申告する人も税理士に任せている人も仕組みが分かっていると騙されないで良いと思う。窓口では教えてもらえないし税理士も間違えることがあるから。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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