本の感想「無私の日本人」
「無私の日本人」
磯田道史
文春文庫
単行本は2012年に出ていて、
文庫は2015年
2016年の5月の第8刷を購入
積んであった本の1つで、
磯田道史さんのベストセラー
「日本史の内幕」
これも読まずにしばらくおいてあったのだが、
その中に「無私の日本人」の映画化
のエピソードが書いてあり、
読みたい!もしかして本棚にあるかも‥と探したら、あった。
Amazon primeで映画「利息でござる」も見た。「無私の日本人」の中の “穀田屋十三郎” が原作
文庫の帯は映画化用の物で、めくるとこんな感じ。
内容は 主人公、穀田屋十三郎は仙台藩領の吉岡という貧乏な宿場の酒屋。
吉岡は、天馬役という藩の役儀が重く、夜逃げ者が続出。衰退しつつあった。
そこで宿場の旦那衆9人が犠牲になり、一軒平均で今の3000万円余りを出し合って、
総額3億円の基金を作り、
それを仙台藩の殿様に年利10%で貸し付け
毎年3000万円の利息を取り、
100件ある宿場の家に30万円ずつ配る制度を作って衰退を止める。
穀田屋たちは大変な苦労と知恵で、この基金制度を藩に認めさせていく。
殿から金を取る途方もない計画。
そしてこれは実話である。
おまけに穀田屋たちは「慎しみ」の約束を結ぶ。
やった事を人前で自慢しないと。
江戸時代にこんな無私の精神を持っている人達がいたのだなぁ。
本も映画も感動的だった。
一番お金を出して、商いが苦しくなった浅野屋の後日談も良かった。
両方見るとより分かりやすいかも。