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トレーナーとしてのこれまでの歩み 前半

こんにちは。Yoriです。

少し自分のトレーナーとしてのバックグランドを知って貰えればと思うので、現在に至るまでの経験や考えなどを中心にお話をさせて貰います。

書いてみると意外と長くなったので、前半と後半に分けました。全部で5つ転機があるのですが、前半の今回は、2つ目の転機までです。

興味がある箇所だけでも目を通して頂ければ幸いです。




転機1)トレーナーを目指した切っ掛け

2005年。大学を卒業し、大手派遣会社に就職しました。

それまでは、サッカーを小学生のころから続けており、その他の事にほとんど興味はなかったため、新社会人として、不安と期待と入り混じっていました。

そして、社会人として2年目が半分過ぎたころに、うつ病になりました。それでも騙し騙し仕事は出来ていたのですが、結局、3年目に入ったころに悪化し、休職。

1つ目の転機は、復職と休職を数回繰り返し、30歳という大台が見えてきた時でした。

当時は休職中で、会社の人事の方と面談を機に、少し自分の将来のことを考える機会がありました。その時の体調は、どん底から少し回復傾向に向かっている時期で、思考も少し働いており、タイミング的にもこの時期だったと思います。

ただ、医師からは、社会復帰をするには、一日短時間の労働から始めるリハビリが必要であると言われていました。

そこで辿り着いたのが、スポーツトレーナーという道でした。学校に通えば、ある程度拘束時間があるストレスとそれ以外は自由な時間があるという点で、選択肢の一つとなりました。その頃の私は、スポーツトレーナーと言えば、「怪我をした選手をサポートする人」という程度の知識しかありませんでした(本来は、大きく訳で、StrengthとMedicalの2つの分野があります)。

興味を持った理由の一つに、不運にもこれまでに多くの怪我を経験しており、リハビリなどを通して、理学療法士さんと接する機会が増え、怪我をしたアスリートをサポートする仕事というものに自然と関心が沸いていたことがありました。

特に,前十字靭帯断裂というサッカー人生を縮めた経験が大きく、当時感じた絶望感は、それまでの自分の人生においてはネガティブな経験でしかなかったのですが、
「トレーナーという道を選ぶことにより、同じように苦しむ人の気持ちに共感ができ、誰かの役に立つ可能性がある経験をしたのだ」
というポジティブな経験へと変わる可能性を考えると、それまでのことが無駄ではなかったのだと、自然と思えたことが大きかったです。

ただ、30歳から学校に通い直し、順調にいって30歳半ばで卒業し、トレーナーとして勝負ができるかと考えると、少し躊躇してしまいました。

そんな時出会ったのが、米国でアスレチックトレーナーになるための斡旋をしている日本の専門学校の次年度入学の募集でした。

もし順調にことが進み、卒業をしたころには、英語が話せて、スポーツの本場であるアメリカで学んだ知識があれば、30代半ばであっても、勝負ができるのではと思い、とにかく応募することにしました。

結果、話はトントン拍子で進み、入学も決まり、方向性も決まった段階で、会社を退職しました。

何事にも慎重で、大きな決断を出来なかった自分ですが、あまりにも上手くことが運ぶので、「これは神の思し召しでは?」「こっちが本来の自分の進むべき道だよ」と言われている気がして、その感覚を信じて決断をすることができました。

このころから、何か目には見えない“縁”というものや“人生の流れ”というものを意識するようになっていきました。そして、留学となると何よりも親への負担もかけることになるため、承諾をくれたことには感謝です。

そして、1年後。専門学校で留学準備として英語の学習を経て、無事にアメリカ、オレゴン州にあるOregon State University(OSU)への留学することになりました。

そもそも、日本の大学では、単位を落とすほど英語自体が苦手だったため、直接大学に入学するのではなく、大学付属の語学学校から始めることになるのですが、無事にスタートを切ることができました。


転機2)OSUでの挫折

Oregon State University(OSU)は、オレゴン州のCorvallisという田舎街にある大学で、空港のあるPortlandから車で1時間30分離れた場所にあります。

のどかな田舎街で、街の人もとても親切で優しく、田舎好きな自分にとってはとても過ごしやすい環境でした。心のリフレッシュとしてリハビリをするには持ってこいの環境でした。


Oregon State University

トレーナーを目指すと決めてから、ずっと考えていたことが、パフォーマンスを向上させるとはどういうことか。つまり、どういうステップを踏むことがパフォーマンスを向上させることに繋がるのかということでした。

つまり、ウエイトトレーニングだけではないと感じていました。

なぜなら、筋力を向上させることはパフォーマンスを向上させることに繋がるのは確かなのですが、これまでの自分の経験上、怪我をしてしまえば、プレーが出来なくなるため、それだけではないなと感じていたからです。

だから当時は、怪我をするということは、何か身体的課題が存在しており、リハビリを通して、その課題を解決することが、パフォーマンスを向上させることであると思い、米国アスレチックトレーナー(ATC)を目指しました。

しかし、その道が閉ざされることになります。

ATCになるには、大学内にATC専門のプログラムがあり、そのプログラムにはいる必要がありました。もともと英語が大の苦手で、周囲の20歳前後の若者と比べると、圧倒的に英語の上達速度が遅く、大学の成績が伴いませんでした。結果、ATCになるためのプログラムに入ることが出来ませんでした。

これが2つ目の転機です。

ちょうどこの時期に、大学のATCのプログラムの要件が変更になり、OSUでは、その年が学部でそのプログラム入れる最後の年でした。

数年待ち、大学院にまで行けば新たなATCのプログラムがスタートするとのことでしたが、アメリカに滞在する年数が増えれば、費用も高くなり、また大学院に行くとなると、学費も高くなるので、悩みました。

ATCになれないのであれば、帰国する事も考えました。でも、留まることを決めました。

決断した一つには、同じくATCを目指していた友人の言葉がありました。

それは、
「Medicalの怪我からの回復という視点ではなく、Strengthからの視点で、怪我の予防というアプローチもあるよ」
というものでした。

その当時は、その意味をあまりイメージは出来ていなかったのですが、そういう視点があるのであれば帰国をするのではなく、ATCというMedicalではなく、Strengthという方向からパフォーマンス向上とは何かを考えてみようという気持ちになりました。

今思えば、MedicalからもStrengthの視点からも、知識があればアプローチすることが可能で、方法はいくらでもあるのだなと思います。

そしてもう一つ。
渡米した目的が、社会復帰する為のリハビリということもありました。

渡米3か月後にうつ病を再発していたこともあり、このころの体調は万全ではありませんでした。

言葉が違ったり、勉強をするというストレスはあるものの、異なる文化や環境に身を置くことや、現地の友人にも恵まれていたことも大きく、私にとっては居心地がよく最適の場所であったため、帰国せず滞在する判断がbetterであると決断しました。


Oregon State University Ground

方向転換をしてからは、より「パフォーマンス向上とは何か」をより考える様になりました。

特に日本にいたころから疑問に思っていた「Flexibility」「Mobility」「Stability」という言葉の関係性について、考える様になりました。

理由は、FlexibilityもMobilityも両方とも日本では柔軟性として訳されることが多く、Mobilityの対義語としてよく使われるStabilityも安定性と訳されはするものの、具体的にどのようなことを指すのか、私にとっては明確な区別をする定義を見つけることが出来なかったからです。

教科書、辞書、文献、アメリカ人や教授などに聞いても、異なる回答や説明がほとんどで、言葉の定義として何が正しいのか、ということについて考える時間が増えまた。

そして、この追求が、現在の私のトレーニングコンセプトの軸となるのですが、結論がでるのは、もう少し先の話になります。


ATCの道を断念した後も、大学のカリキュラムは順調に進み、大学内のトレーニング施設や大学外の理学療法士の施設でインターンとして働きながら経験を積み約3年が過ぎました。

卒業の単位を取るためには、外部でのインターンの単位が必要となり、一か八か、日本にいた時より気になっていたEXOS(エクソス:発音的にはイクソス)というトレーニングサービスを提供するアメリカ大手の企業でのインターンに申し込むことにしました。

結果は、採用!

晴れて年明けより、ロサンゼルスにある拠点で、約半年間のインターンとして受け入れて頂くことになりました。

当時は、どれほど凄いトレーニングの経験を積めるのだろうと興奮していのを覚えています。

そして、このEXOSでのインターンが私の3つ目の転機となります。

この転機が、私のトレーナー人生において最も大きな転機でした。

Sunrise | Marys Peak, OR

と、前半はこことまでとしたいと思います。
続きの後半は、次回の投稿をご覧ください。

少しでも興味を持って頂ければ幸いです。


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