月記 2021/9
よくもやってくれたなiPadOS15。貴様、JIS配列のハードウェアキーボードをUS配列だと誤認識する致命的なバグを抱えておるではないか。
対処方法は今のところなし。apple様によるアップデートの配給を座して待つのみ。そして直近にやってきた15.0.1では修正されていなかった。こうなるとメジャーアップデートまで待てとかいう展開にも十分有り得る。これでは何のために公式の高いキーボードを買ったのかわからない。OS15でようやくiPadでのiPhone用アプリが横画面表示に対応したと聞きつけホイホイアップデートしたらこれだ。なーにがGAFAだ。お前はどっちのAなんだ。
九月は脳の限界を感じる月だった。
まず本の内容がいまいち頭に入ってこない。今年に入ってどう考えても読み過ぎている。それも小説ではない、ノンフィクションやら哲学やら人類史やらよくわからない本ばかり読んでいるので負荷が強い。
僕は小説以外の本については全て雑学だと思っている節がある。小説のネタになるかどうかばかり気にしているので。しかし、いくら雑学でも詰め込みすぎは問題だ。ただでさえ不出来な頭が過充電で爆発してしまう。
なので本を読むのを一旦やめた。
もう一つ、重大な問題があった。ここ最近、良質なフィクションを味わっていない。こんなことを言えば色んなところに角が立つのだが、要は僕が欲しがっているサブカルセカイ系なコンテンツを消費していない。これではいかんのだ。雑学だけで小説は書けない。事実、長編を書き終えてからというもの、どうも捗らない。それでも一編書いたので当面困ることはないのだが、アレだよな、僕は締め切りに追われて書くようになったら駄目だからさ。
今月は以上二つの問題に対する合理的な解決を計った。つまり、ゲームばかりしていた。映画もいくつか観たがいまいち芯を食った作品に出会わなかったので省略。以下ネタバレる。
『ゼルダの伝説 スカイウォードソードHD』をようやくクリアした。言うて総プレイ時間は四十時間弱。
濃密なストーリー、マスターソードの起源、という謳い文句に間違いはないが、うーむ、こうなるとやはりトライフォースとか女神ハイラルの起源を辿ってほしくなる。この欲求の果ては宇宙創成まで後退してしまうのだが、ううん、どうも、これが始まりの物語といわれると、ちょっとモヤッとする。もっと前から始まってないか? みたいな。
ゲームとしては面白かったし亜人ファイのキャラクター造形も好みだった。ただ、システム面で『BOTW』と甲乙つけがたいのは方向性の違いゆえに仕方ないとしても、モデリングは『BOTW』の方がよくないか? 『BOTW』のゼルダが散々な言われようだった憶えがあるが、どう考えても『スカウォ』の方が……ではないのか。もっとも、『BOTW』のリンクは随分垢抜けているが『スカウォ』はリンクもゼルダと負けず劣らず……というか登場するキャラクターほぼ全てがバタ臭い(それが旧来のゼルダであると言われれば返しようもない)ので、あまり目立たなかったのかもしれない。
結論としては、はようBOTW2を出してくれ。
『グノーシア』をクリアした。
いわゆる『人狼ゲーム』を題材にしたアドベンチャー。リアル『人狼ゲーム』は苦手なのだが(嘘をつくのが下手+口を滑らせる癖が最悪の形で合体するため)、これは面白かった。やはりシステムの背景を説明してくれる物語があると没入しやすい。ちょうど今『レイジングループ』をプレイしていて、こちらも人狼が元ネタなのだが、どちらもストーリーにループシステムを採用している。人狼は簡単に人が死ぬし簡単に人を殺すゲームなのだが、そこにナラティブとしての説得力を持たせる、命の価値を適切に表現するにはループさせるのが最も適当なのだろう。
『グノーシア』はSF要素でループを説明している。馴染み深くわかりやすいし、一定の合理性も確保されていたはず。ただ、参加者やグノーシア(人狼)の人数、各役割の有無がループごとに異なる点については曖昧さが残っていた気もする。あと、個人的にはセツが沙明をたまに殺す件の説明が絶対欲しかったんだけど、なかった。
まあ元ネタがあるし、『グノーシア』はテキストアドベンチャーであると同時に一人用人狼ゲームの側面もあるのでこのあたりが適当な落とし所だったのかもしれない。ちゃんとハマったのでよし。
『返校』をクリアした。
白色テロ下の台湾、ということでまず舞台を飲み込むのが難しい。テロとあるから反政府運動かと思いきや、白色テロは政府による民衆への弾圧なのだそうで。
まあそういう検閲や不自由が背景にありつつも、基本的には少女のメンタルが爆発したという、親しみやすい物語であった。
ホラーアドベンチャーということで泣きながらプレイしたのだが、後半はもうホラーじゃなかったような気もする。主人公を殺しにかかる怨霊も前半しか登場しなかったし。ただ演出がところどころでしっかり怖い。イヤホンでプレイするのは諦めました。
舞台設定を除けばオーソドックスな謎解きアドベンチャーという気がする。出来がとても良いし、この手の精神世界を扱ったストーリーにしてはしっかり畳んでくれていた。
九月にプレイした三作はどれもしっかり面白かった。そうそう、こういうのが足りてなかったのよ。やっとフィクションとは何か、を思い出したような気分だ。
それにしても、こんな老いたことは言いたくなかったが、Nintendo Switchの携帯モードは偉大だね。なんでこう、集中力が持続するんだろうね。
さて、十月はひとまず『レイジングループ』を終わらせるのが目標。Switchではもう一つ積みゲーがあるので消化しましょう。Xboxにも『Bugfables』とか『アストリアアセンディング』とかやりたいゲームが溜まっている。『ソムニウム・ファイル』もゲームパスに来たそうじゃないか。
やっぱり本を読んでる場合じゃないんだよ。
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