
太陽が生まれた国
2月にカンボジアへ行った
カンボジアは夏だから、寒くて震えていた日々を過ごしていた
日本の私にとって久しぶりに会う誰かのように思えた
毎朝見る朝日はメコン川から上って
こんなに大きな川を見るのは初めてだったから
太陽もそれと一緒にすごく大きな存在に感じる
沈む夕日はやさしくも強いオレンジ色と赤に染まっていた
カンボジアの人たちはこの太陽に神様を想ったのかもしれない
朝焼けも夕焼けもとても美しかった

シェムリアップの遺跡群は天空と森になった世界だった
歴史に会いに行くことはおもしろい
タ・プロームには石造りの遺跡に木のねっこが
毛細血管のように広がっていて、
この光景が、何十メートルもある木々よりもはるか昔に遺跡が
できあがっていたという動かぬ証拠であるということに
思わず声が漏れてしまう

尊いな、自然は
美しいな、時代を纏った歴史は

プノンペンに戻ってきた
にぎやかな人の声とトゥクトゥクのエンジン音が耳に戻ってきた
開発に埋もれることなく、この色づく人の営みが
これからも続いたほしいと思った
発展してしまった国にはないような何かを
失ってほしくはないな
何かとは、朝から変なエクササイズしてる人たちとか、
無秩序な交通ルールとか、ナンプラー香る屋台とか、
自分から道に突っ込んだのに対向車に支持するおじさんとか、
そんなかんじのもの
