PVがわかる4歳

ある日どうしても聴きたくなって、風味堂の「愛してる」のPVを娘と一緒にみた。

曲が終わるまでひたすらPVに見入った2人。
「いい曲だった?」と聞くと、何も言わずに抱きついてきた。私は、そうか曲を噛み締めたのか!と、寝る前にもう一度一緒に見た。

すると、またしても最後まで静かにPVを見た娘。曲が終わるとうるうるし出し、ついにワンワン泣き始めた。娘が落ち着くのを待ってまさかと思って聞いてみた。「悲しい気持ちになったの?」と。すると、頷きながら泣き続けた。
4歳には早かったかと反省し、もう見ない約束をした。

すると翌日、淡々と説明を始めた。
「最初のところも寂しくなったの」
「電車でひとりになったのも寂しくなったの」
などなど。

よく覚えてる!と私はPVの世界を丁寧に感じた娘に感動した。

しかし、なぜかまた見たいといい始めた。
「あれ見て泣きたいの」
ん?理解ができなかったが、強く懇願されまた一緒に見てみた。すると、娘の表情は変わらない。最後まで涙は出なかった。曲が終わり、2人で顔を見合わせ「あれ?泣かなかった」と困惑。

当然悲しい気持ちになると思っていた娘は、ジタバタして「泣きたい泣きたい」とゴネ出した。「泣きたいって泣けばいいじゃん!」と母親らしからぬ私の助言に対し、「転んだり、怒ったりして泣くのは嫌なの!」という娘。

初めての感情の揺さぶりに、驚きと共に、快感を覚えたのか?
それから何故か「お母さんも泣いて!」と、何にもない時に涙を求められるようになった。一応、女優さんのように悲しいことを想像して、涙を出そうと努力してみる。当然流れてこない。「出るかーい」とつっこんでみる。我が家ではそんな変なやり取りが続いている。笑

いいなと思ったら応援しよう!