2021年春、迷走からの脱出 ~学校の勉強って、結局は何?~
2022年の春、長男は中学校を卒業し、
高校に進学する年になる。
前回の記事に書いた通り、
本人に明確な目標があるわけでないが、
高卒資格だけは、
どんな形であれ取得しておいてほしい。
と、親として思っていた。
2020年は、高卒資格の取れる
eSportsの専門学校の見学に一度行ったが、
それ以外は、様々な通信制高校から
資料を取り寄せるうちに過ぎていった。
通信制高校、と聞いて、
あなたはどんなイメージを持つだろうか。
自身は、自宅でテキスト読んで、
レポートやテストを郵送で提出し、
採点されて…というイメージを漠然と持っていた。
また、何らかの事情があって、
高校に行けないまま社会人になった人が、
時間の制約がある中で、
高卒資格を取るために選択する場所、
或いは、
不登校の人が高卒資格を取るための場所、
といったイメージも持っていた。
しかし、各校のパンフレットを眺めてみると
"通学コース"なる表現や、
"eSportsコース"なる表現もある。
こうなると、一般的な高校との違いがよく分からない。
"行きたくないときに、行かなくて良い自由"がある…?
分からなさは、増すばかりだった。
2021年1月。
コロナ禍で緊急事態宣言が出るか出ないか、という時期ではあったが、
ある通信制高校の個別説明会があると知り、
長男と大阪まで出かけてみた。
説明会で理解が進むごとに、
『高卒資格取得を、効率的に』
これが、通信制高校というところの、
ひとつの答えだ、と思い至ったのだった。
例えば、既に行きたい大学が決まっていて、
その大学で学びたいことも決まっている高校生にとっては、
「志望大学に合格する」ことが目標になる。
当然、手前では高校卒業が前提となるため、
実際、高校には日々通学しなければならない。
全日制の高校に通う場合、
距離にもよるが、通学には時間を要する。
このことは、"志望大学に合格するために
必要な学力をつけるための時間が削られる"
ということと、イコールになる。
一方で、通信制高校で高卒資格を取る場合、
好きな時間に自主学習を行い、
必要なレポートの提出と、
リアルで受ける必要のある授業(年30時間弱)のみ、最低限通学すればよい。
高卒資格を取る目的に限定すれば、
通信制高校だと圧倒的に時間短縮ができ、
自分にとって必要な勉強に、
日々の時間の多くを使うことができるわけだ。
大学合格だけでなく、
「オリンピックを目指す」
「eSportsで稼げるようになる」
「鉄道旅行に行きまくってYouTubeで発信する」など、
将来の夢や目的が決まっていたり、
方向性が見えていて、
かつ高卒資格は取りたい、という場合、
通信制高校は実に有効な手段なのだ。
そんな理解を得て、説明会を後にしたのだった。
その後、長男は、通信制高校への進学を決めた。
選んだのは、
2016年に開学した「N高等学校」だった。
決めた時点では、
将来の夢や志が明確にあったわけではないが、
この先、何か具体的な目標ができた時、
その目標を叶えるために
高卒資格が条件になるケースは多いだろう
と思ったことと、
通信制高校の特徴として、
定員という制約がほぼ無いこと
=選考試験が書類のみ、という点が、
決め手となったのだった。
不登校期間が長く、
本人も勉学への不安が大きい中、
受験のハードルが低いということは、
本人が決める際に、
かなりの後押しになったのは間違いない。
現実、「受験勉強の知識が社会に出て役立つことは少ない」わけで、
このハードルも短縮できる環境なのは、
とてもありがたいと感じた。
そして、N高等学校を
親として後押しできた最大の理由は、
「21世紀型スキル学習」を
前面に打ち出していたことである。
自身も、仕事の中で、
社内外のメンバーとディスカッションし、
考えを深め、ひとつの企画書にまとめ、
クライアントや上長へプレゼンテーションを行うシーンが多い。
このプレゼンテーションテーマでは、
近年、「正解のわからない取り組み=成功方程式がない取り組み」が
増えていることを、強く実感している。
"メンバーとディスカッションして
考えを深める"という部分、
書くと単純に見えるが、
これが非常に厄介で、
概ね失敗するパターンというのは、
・声の大きな人や立場の強い人の意見に、
納得いかないながらも、なびくケース
・結論は決まっているが、スケープゴートとしてディスカッションという過程を経るケース
・メンバー間の仲が悪く、空中分解するケース
・仲の良いメンバーだけでディスカッションし、目新しさが生まれないケース
などなど、
大人なんだからしっかりやろうぜ……と、
ため息をつきたくなるシーンばかりだ。
N高で教わることが出来る
「21世紀型スキル学習」は、
これからの社会を生きていくために
必要で重要なスキル、と捉えた上で
授業の中に取り入れている、と分かったこと。
これは、N高等学校を選んだ
最大のポイントであった。
迎えた2021年、長男、中3の春。
2019〜2020年に通っていたフリースクールが、
学習面強化の方針へと転換することもあり、本人の意思で退学。
N高等学校への進学を見据え、
2019年に開学したN中等部へ
3期生として入学することになる。
フリースクールという点では、
4校目ということになる。
迷走を続けた長男の居場所探しは、
N高校入学というポイントが見えたことで、ようやく定まった。
自宅でのリモートワーク時に、
N中等部やN高等学校での
授業風景を垣間見る機会も多いのだが、
自分の中学・高校時代に
こんな学校があったら本当に良かったのにな、
と思えるシーンに何度も遭遇した。
そして、担当メンター(担任の先生)さんとの三者面談の際に感じたこと、
学校で学ぶこと・学校の存在意義って、
結局は何なんだろう? など、
色々と浮かび上がってくる日々となった。
N中等部・N高等学校を、
親の立場で見た話は、
次回に記載したいと思う。
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