Out Of Control
県外のお客さんのところに、出向くことになった。
ファイルを数冊ボストンバッグに詰めて出かけた。
バスでJRまで、そこから新幹線に乗り、ローカル線に乗り継ぎ目的地に行く。そんな経路。
ところが、JRの駅に着いた時、乗り継ぎのローカル線は、どれだったか、そもそも目的地がどこだったか忘れてしまっていることに気づいた。
確か、バッグの中にメモを入れてあったはずだと、探すが見つからない。パニックになっている私をみて、そばにいた友人が心配して一緒に来てくれることになった。
新幹線の中でも、思い出そうとしたり、バッグの中を調べていたが、どうも見つからないし、思い出せない。
携帯で事務所に聞こうかと思ったが、携帯も忘れてきてしまった。(友人の携帯を借りればいいのだが、それさえ全く思いつかなかった。)カバンの底を攫う様に探している私の姿に友人が怪訝な眼差しをむけているのがわかった。
乗り換え駅に降りて、友人と別れ、切符売り場にあった机の上で、ファイルを引き出し片端から調べた。
メモがなくても、ファイルにはお客さんのなんらかの情報が載っているはずだからと、書類をめくるのだが見つからない。
というより、書類をくぐっても、全然頭に入らない。読んでいるつもりなのだが、全部頭から脱落して行き理解できない。
大体、お客さんのところに何しに行くのだったかもわからなくなった。
乗り換えの電車に乗らなければならない時間が迫っているのに、一体どうしたことだと完全にパニックになった。
その時、私の様子がおかしいと心配していた友人が戻ってきた。そして、yasuちょっと来いと、駅の構外に私を連れ出した。
どうしたんだ、と友人が言った。
私は、ファイルを見てもお客さんの住所とか分からないのだと言った。
友人は悲痛な目で、出かける前にファイルの内容を頭に入れてこなかったのかと言った。
私は、すまん、今度から、必ずファイルの中身を頭に入れて来るからとか、必死になって謝った。
友人は、もう瞬発力だけで片付けられる状態ではなくなっているのだよと、恐ろしく優しい目をしながら、私に言った。
私の目に涙が浮かんできた。
・・・・・・・
ちょっと、起きるのじゃ。
話があるのじゃ。
という、ヨメ・ハン皇帝の容赦ない声で、目が覚めた。
瞬間、ファイルは・・・? ん? ヨメ・ハン皇帝!?
な、なんだ、これ。
と混乱した。
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しかし、怖かったなあ。
ボケたりしたら、あんな感じになるのかと、しばし呆然とした。
う〜む、絶対に嫌だ!
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