WILL - CAN - MUSTで新規事業案を考えてみる
概要
WILL - CAN - MUSTから新規事業案を考えてみるnoteです。
各項目は以下の通りですね。
WILL:本人がやりたいと思っていること、意志
CAN:本人ができること、無意識に身についていること
MUST(HOPE):会社から求められていること、やってほしいこと
この3つのフレームはケース・バイ・ケースですし、職域・ポジションやライフスタイルの変化(結婚、育児、年齢など)でも推移しますが、新規事業を考えるうえで自社と自分を客観的に分析することでより強力に事業案を推進できるようになります。
どのように分解できるかを整理していきます。
CAN - MUST領域の案
3つの輪のうち、CANとMUSTが重なる領域のアイデアです。
この場合、現業に近い事業案の場合が多いので本業とのカニバリズムは意識しないと既存事業やプロジェクトに融合させられる場合がありますが、それはそれでイントラプレナーとして悪い結果ではありません。ただ、融合した結果、嬉しい!という人を見たことはありません。。
WILLを意識的にスライドさせると理想の姿に近づきますし、実際この形で事業化すると結果的にその行動自体が原体験化されるケースも散見されます。(所詮ストーリーに過ぎませんから)
WILL - CAN領域の案
WILLとCANが重なる領域は本人にとっては楽しい案になりますが、それが通るかどうかというと極めて困難です。そもそも書類審査からして通過が怪しいうえに、仮に「どんな事業案でも良い」といっても、事業化承認などピリついたステージになるほどボトルネックになってきます。事業投資となるとIRへの説明といったことも頭をよぎります。
つまりこの領域はよほど懐が深い企業でないと絶対に事業化にたどり着けません。
ただ、本当に顧客ニーズがあり、推進のトラクションが示せれば、スピンアウトや事業譲渡、JVなどの可能性はあります。(そこまで持っていくトラクションが出せるかどうかが全てなのはどの事業案でも変わらないのですが、特にそれが問われる)
WILL - MUST領域の案
WILLとMUSTが重なる領域は書類審査までは通過しても、その後の検証ペースが遅く、そこから先のステージに進めないケースが多いです。この型は、新入社員など特に若い社員が同期同士でチームアップして提案するケースなどで見られます。応援してくれる社内の方も多いのではないでしょうか。
それでも実際に検証ステージで悪戦苦闘することでスキルが磨かれることも多く、初回ではたどり着けなくとも、2回3回と事業化検討を繰り返すことで、事業化にたどり着けるケースがありますが、これにかまけ過ぎると本来業務で蓄積される能力開発が疎かになり、結果強みが醸成されにくいケースもありますのでさじ加減にご注意ください。
WILLしかない領域の場合
さきほどのWILL - MUSTと似た形の推進になりますが、まずは実績を積み上げることをオススメします。実績を積み上げるためにはスキルやネットワーク習熟が必要になり、結果的に当事者として推進できるようになる場合があります。
理想の姿/WILL - CAN - MUSTがリンクする領域
理想の姿はやはり、3つの輪がすべてリンクする領域です。
この領域で企画すると、まず会社としてMUST(HOPE)領域なので、「Why this company?」で釘を刺されることはありません。
また、「Why you?」でもWILL/CANを有しているため、「自分ならできる」の説得力が十分です。検証活動でもCANを活かして、先んじて成果をあげるでしょう。検証活動後半でビジネスモデルやスケールあたりが未熟であってもトラクションの魅力でカバーできます。事業ピッチではトラクションを出すことが何よりも説得力があがります。
会社の中でカニバリズムのない領域ですとなお良いです。(というかそうしないと食われてしまう)
私の3つ目の領域がこのパターンでした。偶然ではなく、かなり綿密にこの領域がないかについて熟考に熟考を重ねた私たちのチームはSBイノベンチャー6,000件のなかでも最速で事業化承認と相成ります。シリーズAあたりで困難に直面するのは、また別の話で。
このフレームの中で地味に重要なことは、会社ではなく、自分及びチームが有する強み、スキルは何なのか?を客観的に認識することです。それは仮に明日、会社から予算ゼロ、体制ゼロになっても、事業・サービスを維持&Updateできる領域かどうか?だと考え、ビジネスモデルや在庫リスクをどう回避し、またそのうえでどう魅力ある事業案に仕立てるかに注力しましょう。
例えば最悪自費でもなんとかなるほど抑えられた固定費だったり、外部に頼らず時間さえあればコーディング作業でサービスを改善できたり、業務の合間でも顧客開拓ができたり、チームによって様々な強みがあると思いますので、ぜひ会社ではなく、自分のそれを活かした事業領域を探索してみてください。
それではまた。
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