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「なぜ哲学が必要なのか?」に対する哲学者の言葉が素晴らしかった

昨日、「今こそ哲学で世界を読み解こう」というオンライン講座を運営して、現役の哲学者に話していただいた。

めちゃくちゃ印象的だったのは

哲学は哲学者の思想を一生懸命覚えるんじゃなくて、使って欲しい。分断したり、感情的な言葉が飛び交うときにこそ、哲学ば有効。なぜなら哲学は『良識』にたちもどって、『その意見はなぜ、どんなときに成り立つのか』を交通整理していくものだから」と。

なぜ、世界で分断が進むいまこそ哲学が必要なのかがよく分かる言葉。やっぱり専門家はすごい。

中学高校の詰め込み暗記教育の影響か、ソクラテスやらカントやらアダム・スミスやら有名な思想家がどんな考え方を提示したのかを覚えること=哲学を学ぶこと、という思考になっていたけれど、そうじゃないんだと。

「社会」というものは存在して、それはたとえば世論だったり会社の空気だったりする。大きな流れが生み出す抑圧。
それに抗うには一人ひとりが自分の良識によって声をあげるしかない。

アウトプットしてこそ哲学が生きる。そのためにはそもそも哲学の授業をインプットだけにしているのでは不十分なのだとも感じた。

そこで北欧教育ではどうなっているのだろう?と調べてみてこの論文に行きあたった。

https://core.ac.uk/download/pdf/147427923.pdf

このなかの一説で

社会民主主義の教育理念は、知識を注入する教育ではなく、「為すことで学ぶ」という進歩的な教育哲学に重きを置いている

とあり、さもありなんと感じた。

教育制度を変えることは私ひとりでは難しいけれど、まずは流されず良識をもとに批評して違うと思うならば声をあげること。それならば自分にもできるし、それが哲学をするということなんだろう。

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