マリメッコを定年退職したデザイナー石本藤雄氏をめぐる松山の旅
マリメッコといえば、フィンランドが生んだ世界を代表する企業。特にウニッコ(大胆にお花が配置されたデザイン)は日本でも人気ですね。そのマリメッコで日本人デザイナーが何人も活躍しているということは意外と知られていない。
2006年、マリメッコを定年退職した日本人デザイナー 石本藤雄氏は愛媛県出身。マリメッコに在籍した20年以上にわたり、数多くの魅力的なテキスタイルデザインを生み出している。
2018年11月、石本氏の故郷である愛媛県で彼の展覧会が開催されているのを知り、愛媛県立美術館を訪ねた(道後温泉も満喫したのは言うまでもない)。
美術館で彼の作品を目の当たりにして、心奪われずにいられなかった。ひとりの人間が生み出したとは思えないほどの作風。自然の造形が彼のフィルターを通したときに、こんなにも多様で未知で魅力的なデザインへと昇華されるのか…!と。
※美術館の撮影OKなエリアのもの
特に私が好きだったのは、松山市にある石本氏がプロデュースしたカフェ兼ギャラリー「MUSTAKIVI」に展示されていた彼の陶器の作品。自然の野花たちはどれも大胆なフォルムだけど可憐で品があって、いつまでもいつまでもその場で眺めていたくなる。
まるで自然の野山で花に囲まれているような感動があった。
また松山市駅から市電で20分くらいの場所にある道後温泉。そこにあるホテル茶波留は、9階のエグゼクティブフロアを石本氏がプロデュースした。予約すればお昼の時間帯、泊まっていなくても無料で見学できるようになっている。
実際に訪れたが、部屋ごとにテーマが異なり、使われているファブリックのデザインが違っていて目に楽しい。
ホテルの方が一部屋ずつ丁寧に案内してくれた。
ここもぜひ訪れたい場所だ。
愛媛県立美術館の展示はもう終了したが、2019年3月から京都で、そして夏には東京での開催が予定されているようなので、この機会にぜひ。
イベント詳細はこちら。
そして美術館で購入した石本藤雄氏の作品集は、マリメッコ時代のテキスタイルデザインと、アラビアでの陶器作品が網羅されていて、ページをめくるたびに幸せなきもちになる。
フィンランドで愛されるデザインを生んだ日本人デザイナー石本藤雄さん。夏にまた東京で作品と会えるのが今から待ち遠しい。