『Evidence of the Affair』
最近気になっている作家さん、テイラー・ジェンキンス・レイド(Taylor Jenkins Reid)。
最近の作品『The Seven Husbands of Evelyn Hugo』は大ヒットとなりました。映像化もされるようです。
彼女の作品をまだ読んだことがなかったので、取っ掛かりとしてe-bookでのみ読める作品『Evidence of the Affair』をKindleで読んでみました。
88ページほどの短編小説。主人公達がやりとりする書簡だけで構成される小説で、ページの余白も多くてサクッと読み終わりました。
夫に不倫をされた妻キャリーが、夫の不倫相手の夫デビッドに状況を打ち明ける手紙を出したところから、次第に文通をするようになり、実際に会うようになります。全て手紙の文面だけで、状況が分かるようになっています。短いながらもお話に意外な展開(twist and turn)もあり、飽きずにあっという間に読み終えました。個人的には、読後に一種の怖さがじわぁっと来ました。
さて、作品内の人気箇所のひとつ:
"It seems as if you see me exactly as I wish to be seen. There is no greater gift than that."
貴方は、私のことをそう見てくれたらと願う通りに、私のことを見てくださっているように思います。そのことほど素晴らしい贈り物はありません。
たしかに自分が願うように自分のことを認めてくれる人の存在ってありがたいと思います。嬉しくもあるけれど…。
ただ、ここで気になったのは、あるがままの姿ではなく自分が願う通りに見てくれるという点。つまりは、自分が繕っている部分があれば、相手はその部分に騙されてくれる人か真実を見る能力がない人ということになるので、それだと行く行くは疲れる関係になるのじゃないかなと感じます。
文体が上品な感じで素敵だと感じたので、ほかにも読んでみたくなりました。レビューをいろいろ見ているうちに、どうしても結末が知りたくなったので『One True Love』を買っちゃいました。
こちらはある意味、三角関係のパターンです。日本の少女漫画で人気のあるような三角関係ものは、英語圏では余り好まれないようです。
これは状況が特殊なドラマ的ロマンスだからかgoodreadsでも評価が4.09(日によって多少上下あり)と高め。
それにしても、TBRリストが膨らむ一方です。「私の趣味は本を読むこと、というより本を買うことです!」って言う羽目にならないように、もっとガンガン読みたいです。