劇団四季『ゴースト&レディ』にのめり込んだ話①
小さい頃に母に借りて『ガラスの仮面』を読んだ影響で。
そして、幸運な事に演劇に連れて行ってくれる母がいたおかげで。
小さい頃から、定期的に劇団四季を観る機会に恵まれていた。
専らディズニー系の作品を中心にだったけれど、
いつしか「連れて行ってもらう」ものから
「自分で行きたい!と向かう」ものになっていて、
特にのめり込むきっかけとなったのが数年前の『ノートルダムの鐘』これは凄まじかった。
殴られたような、心をぎゅっと掴まれたような衝撃。
これは何度も観ないといけないと思った。
ノートルダムについても語り出すとこれもまた止まらないんだけど、
残念ながら今回は最新作『ゴースト&レディ』についてなので鐘はまた別の機会に。
ちょうど1年ほど前、
『ノートルダムの鐘』が千秋楽を迎えてしまった頃に
最新作制作のチラシを見て、
演出家をはじめ製作陣にはノートルダムスタッフが多数。
正直、新作よりも鐘を見続けたい…と思っていたのを今となっては土下座して謝りたい。
こんな名作と出会えるなんて思ってもいなかった。
前置きがあんまり長くなっても仕方ないので、早速本題。
ひたすらここが好き!ポイントをあげ連ねていくだけ。
そしてキャストについても個人的好み、主観入りまくりなので悪しからず。
当然ながらネタバレしかないのでそちらもどうかご承知おきを。
まず冒頭…の前に開幕前の足音の件から。
開演数分前に、スピーカーがオンになり、誰かがゆっくりと歩く音が聞こえる。
とても小さい音なので、席によって、また周りのざわめき具合によって、
この演出を知っていても聞こえる時と聞き逃す時がある。
聞き逃さないためにも、
どうかどうか、予ベルが鳴った後は、同行者とのおしゃべりは少しだけ我慢して静寂の緊張感に身を委ねていただきたい、と心底思う。
最近ギリギリまでおしゃべりしている方を多く見受けるのだけれど、
積もる話があるのかもしれない、数年振りに会った友人と盛り上がるのはわかる、
でも今まさに舞台が始まろうとしているのだから、せめて予ベル以降は一度おしゃべりは中断して、静寂の中、物語の世界へと潜り込むこの時を楽しみませんか、と思うこの頃。
さて、この足音、開幕直後は「グレイの足音」という噂で持ちきりだったのだが、
最近になって「フローの足音」説も出てきているようで。
そう思って聞いてみた結果、私の考えとしてはフロー説に落ち着いた。
コツ、コツ、とだいぶゆっくりなテンポで歩いている音が、なんとなくだけど女性的なものに聞こえる。
まあよく考えればフローは物語の間本当に忙しく動き回っているのだけど、
元はお金持ちのお嬢様。
ロングドレスでゆっくりと上品に歩く淑女というイメージの音、な気がする。
そしてグレイは飛べるという描写やセリフが多数あることから、(もちろんグレイを演じる俳優さんは人間なので歩き回るシーンが多いのだけど)グレイは歩く必要がない、という事も考えると、
やはりフローの足音なのではないかなと思った。
いきなりフィナーレの場面に話が飛んでしまうけれど、
フローを見送るグレイは「どうしてもやり遂げてぇ事がある。それが出来たらお前に見せたい」と言って、
フローは「ずっと待っていますね」という[約束]を交わす。
これから私たち観客が観るのは
グレイのその「どうしてもやり遂げてぇ事」な訳ですので、
それをフローも見にきてくれているのではないか、と思いたい。
ということで、フローの足音説を私の中では採用。
そうそう、話がいきなり前後してしまってすみませんが、予ベル。
この予ベルも侮ることなかれ。
大体どこの演劇、コンサートでも開演約5分前を告げる予ベルが鳴るのだけど、
ゴスレはここも油断してはいけません。
初見、何の情報もない時に開演前予ベルを聞いて、
なんだかおしゃれなメロディーだなあと不思議に思って。
1幕を見て、物語ひとつひとつに圧倒されて、幕間。
で、2幕前にも同じ予ベルが鳴る訳なんですが、
この時の衝撃、これは人生でたった一回、初見の時にしか味わえない衝撃。
この後何十枚チケットを重ねても絶対に味わえない。
「これ!ゴーストダンスの曲じゃん!!」
1幕でグレイが自己紹介的に歌うゴーストの歌♪俺は違う のメロディーでした。
開演前にはなんかやたらおしゃれな予ベルだな〜と思ってた旋律が、結びつく瞬間。
これを粋と呼ばずに何を粋と呼べるか。(予ベル、だけに。ハイ、黙ります。
という事で、長くなってしまったので一旦ここで。
なんとまだ本編始まっておりませんが。
このくらいの熱量で、ダラダラ好き勝手に語っていこうかなと思います。
割と途中で筆投げがちなので、最後まで語り尽くせるといいな。