今を生きているという奇跡
10年の歳月。長いのか短いのか、まだ自分には分からない。けれどもあの日の光景は忘れない。今でも鮮明に覚えている。目を瞑れば、とめどなく涙が流れる。心が震える。言葉にならない。
理不尽な現実は、いつも突然やってくる。いつもの日常を一瞬で奪い去っていく。恐怖と孤独に戦った魂は、一体どれほどの数だろうか。往くべき処へ辿り着けているのだろうか。
何年経っても祈ることしかできない。きっとこの先も、祈ることしかできない。
生かされた命だから祈る。限りある命だから祈る。
生きているのは