ビジネスへのSalesforceの適応法を考える
Salesforceの標準を理解し、自社の特徴へ想いを馳せたら、次はSalesforceの標準を自社に応用していくことを考えます。
本noteは2024年4月30日発売の著書「成果を生み出すためのSalesforce運用ガイド」の第5章についての事前解説記事を兼ねています。
その他の解説記事は以下のマガジンにまとめてあります。
https://note.com/yonyon_saeki/m/m4a4283fe0c6f
改めて書籍構成
第一部 Salesforceを学ぶ
-第1章 Salesforceをとらえ直す
-第2章 Salesforce学習の課題
-第3章 Salesforceの学び方
第二部 現状の会社とビジネスについて考える
-第4章 Salesforceの標準的なモデルを抑える
-第5章 会社のビジネスモデルとSalesforceの適応を考える ←こちら
(そもそも)第二部の狙い
第二部は会社ビジネスの現状を理解し、Salesforceの狙いを定めたり、狙いを理解するためのステップになります。
詳しくはこちらのnoteにて狙いを記載しています。
第5章"会社のビジネスモデルとSalesforceの適応を考える"
以下の節で構成されています。
5-1 SFAの基本的なアプローチから理解する
5-2 戦略設定
5-3 予実管理
5-4 プロセス管理
5-5 Salesforceの本質
5-6 受注を伸ばせば業績が伸びるという誤解
5-7 自社のビジネスモデルと課題を考える
5-8 事業の成長ドライバはどこだ
本章でお伝えしたかった主要な事柄
ひとことで言えば、"Salesforceのやり方を転用するのではなく、応用することを考えよう"ということです。
応用するというプロセスは、Salesforce社や製品のベストプラクティスの表面を真似するのではなく、そのプラクティスを支えている"基礎"や"本質"といった抽象度の高い概念で捉えることから始まります。
基礎や本質を理解すると、Salesforce社やSalesforce製品の想定とは異なるであろう、皆さんの会社のビジネスモデル、業務プロセス、組織設計においてもSalesforceのノウハウや製品が十分に活きることがイメージできるはずです。
主なキーワード・図表紹介
この章は、おそらく読み進めるのにじっくり時間がかかる章の一つです。
節ごとの簡易補足と一部図表の掲載にとどめておきます。
節の流れとして、Salesforceのノウハウの基礎にある考え方からSalesforceの本質を捉え、自社のビジネスの応用可能箇所を捉えるよう流れになります。
5-1 SFAの基本的なアプローチから理解する
Salesforceのリスペクトされる大きな点は営業力であり、その仕組みとしてのSFAに注目が集まります。
ただし、SFA自体は成果を最大化する汎用的な手法を営業プロセスへ適応させたものですので、下敷きになっている考え方を理解するのが先です。
5-2 戦略設定
高度な戦略論の話ではありません。
営業戦略を考える枠組みである、「どこで・何を・どのように?」を通して、なぜ顧客情報や周辺情報の一元化が重要なのか、という意外に腹落ちの難しいテーマを考えます。
5-3 予実管理
昨今はKPIだなんだと難しく考えがちですが、目標達成の最も原始的な手法は"予算(目標)"と"実績"の管理です。
意外に、意味のある予算を立てずにマネジメントだKPIだということをしている現場は多くみてきました。
目標と差分をきちんと追うようにマネジメントするだけでも、かなり組織における行動の変化は起きます。
5-4 プロセス管理
予実のギャップが見えても、結果がコントロールしきれません。実績に対して予測的に動きたい、というニーズが出てきます。
そこで結果が出るまでのプロセスを細分化して見込み情報を得ていくプロセス管理、そして、プロセス管理の一つとしてパイプライン管理という概念を整理しています。
また、視える化にはキリがありませんので、予実やプロセス管理により視えてきたデータから、実際にマネジメントがメンバーに対しての言動を変えていく"視る化"の重要性を書いています。
5-5 Salesforceの本質
むしろSalesforceの本質はSFA機能やマネジメントの仕方そのものというより、それらマネジメント手法を機能させたり、定着させる組織文化やその取り組みの方が重要度が高いと気づきます。
そして、それらは受注を伸ばす以外の活動にも応用できるはずです。
Salesforceという製品や会社の価値をより広く捉え直します。
Salesforceのプラクティスと同じ仕組みで、同じ指標が見えたところで、それを活かせるかどうかは別問題です。
5-6 受注を伸ばせば業績が伸びるという誤解
SFA界隈にいると、受注を伸ばすことがユーザ企業にとって嬉しいことであり、投資効果であるという誤解を持たれているのを見かけます。
実際には、受注に制約があったり、売上利益の創出は受注以後のプロセスで決まるビジネスモデルの企業も多いのです。
5-7 自社のビジネスモデルと課題を考える
業態(販売モデル)として物販、定期販売/従量/サブスク、受注生産型といったもののうちどれなのか?
そしてそれらの業種としては製造、小売、広告、サービスといったもののうちどれなのか?
こうした事情によっても、仮にSFAとしてSalesforceを導入する場合の方向性は変わってきます。業態別の考慮事項などをまとめました。
5-8 事業の成長ドライバはどこだ
会社のトップライン(売上)を伸ばすために、集客や受注を伸ばすことが最も重要なのかは分かりません。
大きな市場、刈り取れるマーケット需要が既にある場合は、むしろ営業活動よりも、営業の効率的な採用プロセスや、店舗の開拓プロセスの方が成長を牽引できる変数かもしれません。
自分の会社の成長を牽引する要素って、どんなものがあるのだろう、ということを考えます。
次回
次回からは、第三部(全四部中)の解説に入ります。いよいよ管理者の日々の実務について考えていきます。
"第6章:定常的なSalesforce運用作業をいかに効率化できるか"の事前解説を記載します。
書籍情報
「成果を生み出すためのSalesforce運用ガイド」
2024年4月30日発売(技術評論社)
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Kindle版の予約購入も開始されました。
購入時にご希望の媒体をお間違えないように注意くださいませ。
※個人的なおすすめは紙書籍(編集の都合上、左右ページにまたがる図表があるため)です。