(最終回)ビジネスの変革を担う管理者になる
本noteは2024年4月30日発売の著書「成果を生み出すためのSalesforce運用ガイド」の最終第4部(第8章,第9章)についての事前解説記事になります。
その他の解説記事は以下のマガジンにまとめてあります。1章あたり5分程度で読めますので、購入検討の参考に、積ん読防止の概要把握にどうぞ。
https://note.com/yonyon_saeki/m/m4a4283fe0c6f
"攻め"の管理者としてSalesforceをより大きく利用し、そのためにより複雑な体制で実行していくことをイメージする内容です。
これまで一章ずつ、本書に記載の内容にかなり踏み込んで記載してきましたが、最終第4部についてはお楽しみということで、さらっと章立てを解説するのみに留めておきます。
内容紹介は薄くしますので、変則的ですがご予約いただいた皆様へのメッセージから記載させていただきます。
ご予約いただいた皆様へ
既に多くの方にご予約頂いていると出版社からも聞いています。
ようやく、あと少し、4/30よりお手元に届くことになります。
楽しみにお待ちください。
正直、内容的には重たい本です。読み進めるのに時間がいると思います。
「どこに、どんな話が書いてあるのか?自分にとって読むモチベーションが高い箇所はどこだろうか?」
そう考えつつ本書に向き合って頂くことで、少しでも読み進めの助けになればと解説noteを記載してきました。微力ながらどうぞ「成果を生み出すためのSalesforce運用ガイド」のガイドとして一連の記事を参照いただければと思います。
発信者の立場としては、もっと簡単に・もっと分かりやすくというアプローチもあるべきだろうとは思いましたが
「どう考えても"Salesforceの管理者・推進者"といった重要な仕事が、ツールの使い方を覚えた人程度のものとして、簡単に語られていい訳がなかろう」
というのが、本を手にとって頂いた管理者(や準ずる方々)である皆さんの同胞であり、当事者でもある僕の立場です。
どうか同胞であり同志である皆様には、本書の厚さ、テーマの広さ、内容の難しさを含め、それらをプライドやエネルギーに変え日々の仕事に取り組んでいただければ幸いです。
今回Salesforce関連の書籍の中でも、技術書としてではなく実務書として幅広なテーマに触れたはじめての書籍となったかと思います。
まだまだ触れるべきテーマや、深掘りすべきナレッジは多く残されていると感じます。
ぜひ、次の書籍は皆さんの誰かが筆をとっていただければと思います。全力で応援します。
また、今回僕は書籍というアウトプットをしましたが、
もっとずっと長い間、絶え間なく、blogや動画やセミナーや勉強会といった形でコミュニティを形成し支えてきた素晴らしいリーダーの方々が多くいらっしゃいます。ナレッジを皆で埋め、積み上げるからこそ、一つ一つのアウトプットが繋がり意味を生み出します。
改めて最大限の敬意と感謝をお伝えしたいと思います。
どうぞ、皆さんと同じ界隈の端にいる一人として今後とも宜しくお願いいたします。
佐伯 葉介
書籍構成
第一部 Salesforceを学ぶ
第二部 現状の会社とビジネスについて考える
第三部 日々の業務を回せる管理者になる
第四部 ビジネスの変革を担う管理者になる ←コチラ
- 第8章 Salesforceシステムの未来の姿をイメージする
- 第9章 成長に向けた準備
第四部 簡易内容紹介
節(8-1など)単位にざっとまとめます。
第8章 Salesforceシステムの未来の姿をイメージする
8-1 なぜ未来に目を向ける必要があるのか
先日第7章のnoteを引用頂いたLayerXの福太郎さん(@FukutaroX)の投稿がすべてでした。想像して予想しきるのは難しいのですが、想像しておくことが負債や短期的な課題に囚われ、管理者の立場を厳しいものにすることを軽減します。
8-2 ビジネスの成長と 3 つの価値観の変化
「短期的な目線より中長期的な投資が重要なのになぜしないのか」、「なぜ顧客データを軸にシステムを構成しなかったのか」「個別最適によってデータやプロセスが分断されてしまった」こうした恨みごとは言っても解決しない上に、割とどの現場でも聞きます。だとすればそこには構造があるはずです。改めてその構造を冷静に捉えます。"理解のない誰か"に原因を求めてもいいことはありません。
8-3 Salesforce 活用フェーズと 3 つの壁
以前ウェビナーで"定着の壁"、"拡張の壁"、"統合の壁"という話をしましたがそちらを記載しています。言い換えると、はじめは人に動いてもらう/変わってもらうのを支える難しさがあり、その後他システムや業務設計が、最終的にはよりアーキテクト的な力量が求められるというものです。
8-4 企業における全社 IT 基盤と Salesforce の位置づけ
システム業界長いからわかるのですが、あらゆる企業は"統合"が課題になっていきます。ITに限らずですが、ITだけで十分手に負えないほど大きな課題です。全体をどのように抽象化して統合するかの参考になる、ペースレイヤリングというガートナ社提唱の考え方などSalesforceをフル活用していく前提で相性の良いフレームワークや例を紹介しました。
第9章成長に向けた準備
9-1 なぜSalesforce管理者はいつまでも忙しいのか
多くの管理者様は中小企業に在籍しており、その方々の多くは一人かつ兼務で管理者業務に携わるなど、リソースがあまり投下されない構造があったりします。最終的には会社の判断ですが、リソース配分を受けつつチームを作っていくための考え方を書いています。
9-2 Salesforceの“非機能”領域
今更感がありますが、初期は動けばいい、という感覚で管理されていることが実態としては多いのがSalesforceです。未来を踏まえると非機能要件の重要さが身に沁みます。IPAの非機能要求グレードに則り、Salesforceにおける非機能要件の捉え方をざっと解説しています。
9-3 兼任? 専任? 何人? Salesforce管理者の組織化
Salesforceを世界の中心にするならベスプラとしては管理者はチームで手厚くがもちろん良い訳ですが現実はそううまくいかない訳です。どう予算をつけるか?人を入れてどう価値を出してもらうか、人が増えたとして自分の価値はどう増やせるだろうか?考えます。
9-4 Salesforce管理者のジョブ特性と候補者
もうここまで読んだ方には説明不要ですが、管理者の役割はとても広い範囲であり、IT職的な専門性もありハードルが高いものです。資格保有者を中途で募集するケースが多く見られますが、適正を踏まえると実はそれ以外の選択肢の方が重要ではと思っています。
9-5 未経験者を育成するときの課題は何か
次節(9-6,9-7)へのガイダンスです。管理者になってはじめて人を育てる、という方もいるため、どうやって仕事を切り出して任せてくのか考えましょうというメッセージ。
9-6 いかにタスクではなく仕事の仕方をキャッチアップしてもらうか
管理者の仕事というのは、発生から完了まで一連のプロセスがあり、後から入った方にこのプロセスを渡せず、どの仕事も一部をタスクとして渡すばかりになってしまうケースがあります。OJTの進め方を考えるフレームワークなどもご紹介しています。
9-7 どのように指示を減らして能動的に動いてもらうか
人材育成に答えはなく、持論でこうだ、という内容は記載していません。ただし、仕事を任せて自立してくれるようになったな、と感じるまでのグラデーションの考え方には参考になるフレームワークがあります。独学で取り組む方には知っておいていただきたいものになります。人材育成については断片的なナレッジや、個別事例に最適化された再利用の難しいナレッジも多く転がっていますので目の前の人にフォーカスしつつ考えていって頂ければと思っています。
9-8 一人で勝つな、一人で負けるな
Salesforce社の社内文化をよく表しているなと、個人的にとても好きな標語のようなキーワードで締めています。管理者の仕事において、やれなければいけないこと、知らなければいけないことは多すぎるために周囲を巻き込むことは必須です。悩みをどの程度言語化できるかが巻き込みには重要です。その上で、セールスフォース社やパートナ企業など共に手を取り合うべき相手は多くいます。お金の関係ながらに、皆さんが中心となってそういった周囲の皆さんを仲間にしてしまえたらとても強いと思います。
一旦、著書に関連する一連の解説noteはおしまいです。
何か追加で補足や裏話などリクエストありましたら検討しますのでTwitter等SNSのリプやDMやらで教えていただければ幸いです。
(PR)書籍情報
「成果を生み出すためのSalesforce運用ガイド」
2024年4月30日発売(技術評論社)
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Kindle版の予約購入も開始されました。
購入時にご希望の媒体をお間違えないように注意くださいませ。
※個人的なおすすめは紙書籍(編集の都合上、左右ページにまたがる図表があるため)です。