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Salesforceの標準(≠機能)をおさえる

Salesforceの学び方を知り実際に学んでいくと、手近なSalesforceの実装や変更というHowに頭を向けていきたくなるかと思います。
ただ、その前に改めてSalesforceを適応させるべき自社(会社)のビジネスを捉えてSalesforceがどう活用されるべきか?の土台を理解しておくことは重要に思います。

本noteは2024年4月30日発売の著書「成果を生み出すためのSalesforce運用ガイド」の第4章についての事前解説記事を兼ねています。
その他の解説記事は以下のマガジンにまとめてあります。


改めて書籍構成

第一部 Salesforceを学ぶ
-第1章 Salesforceをとらえ直す
-第2章 Salesforce学習の課題
-第3章 Salesforceの学び方

第二部 現状の会社とビジネスについて考える
-第4章 Salesforceの標準的なモデルを抑える ←こちら
-第5章 会社のビジネスモデルとSalesforceの適応を考える

(そもそも)第二部の狙い

第一部で扱ってきたように、Salesforce管理者はSalesforceだけを知っていれば良い訳でもなく、社内の多様なユーザのニーズに晒されています。

Salesforce(という会社や製品)からは沢山の機能や事例が、
社内からは経営・マネジメント・現場業務の課題が、日々シャワーのように浴びせられ、それらを受け止めているばかりになると次第に溺れていきます。

そこで、Salesforceの目的語である、"会社のビジネス"を理解し、成長に向けた基本的なメソッドを理解し、手段としてSalesforceを位置付ける。
そんな"Salesforce管理者にとっての体幹"のようなものを考えます。

Salesforceに振り回されることなく、
分かっているようで分かっていない会社のビジネスを改めて捉え、
Salesforceという道具と自社の関係性をデザインし推進していきましょう。

第4章"Salesforceの標準的なモデルをおさえる"

以下の節で構成されています。

4-1 そもそもSalesforce適用のねらいはなんだったか
4-2 そもそもSalesforceの標準とは何を指すだろうか
4-3 “機能”で善し悪しを判断しないために
4-4 Salesforceコア製品の業務カバー範囲と想定アクター
4-5 Salesforce標準が想定するアクターと機能/データの流れ

本章でお伝えしたかった主要な事柄

ひとことで言えば、"Salesforceの標準を通して、自社のビジネスを捉えましょう"ということです。

ここで言うSalesforce標準というのは機能のことではなく、"型"のことです。SalesforceというITツールの標準機能が"うまく機能するであろう"業務の流れや役割分担など、ビジネス全体の模型を理解します。

従来であれば、ビジネスの現状とTo-Beを描いて、その実現手法としてSalesforceや他のパッケージを評価する、というのが綺麗な流れです。

しかし、To-Beの変化が早く、描ききれないからこそ進化し続けるSalesforceのようなクラウド型のプラットフォームを採用し、その恩恵を取り入れる戦略を各社選択する訳です。

管理者の皆様においては、既に導入の決まっているSalesforceの表面的な機能ではなく標準モデルをおさえ、みなさんの会社ならではの事情を浮き彫りにしていくのが近道だと考えます。

主なキーワード・図表紹介


目的はSalesforceとの"フュージョン"である
ERP等パッケージソフトウェアの導入経験がある人ほど「標準機能に寄せて個別カスタマイズなんかするな」という論調が強くなります。一定の正当性を認めますが、Salesforceは変更/拡張前提の"型のゆるいパッケージ"です。また、アプリケーションの自作を前提としたPaaSの側面もあります。

自社の独自業務を軸に進化させる、Salesforceのやり方をそのまま当てはめる、という考え方は適合しにくいのです。


標準モデルは、横にも縦にも広い

通常、業績を上げるための作戦というのは、
「まず集客を伸ばそう」とか「顧客単価をあげよう」といった形で、
どこか特定のプロセスを、新しい施策で伸ばそうとするものです。

例えば商談数を増やそうと思ったら通常の訪問件数に加えて、オンラインの活用や代理店経由のアプローチを推進する、といった具合で、図でいうところの横にはあまり広げず、縦の動きを考えればいい訳です。

しかし、Salesforceの標準機能をセットアップしよう、と考えるとどういう訳か急に横に広がり、各プロセスの施策はぼやけて薄まる形になりがちです。

標準機能すべて使おうとすると、施策は山ほどになり、結果的に最下段にあるように組織的な役割分担とリソース配分の調整(組織設計)まで影響することになります。
自社の組織体制や業務プロセスの流れと既存施策などを比較して理解してみると良いでしょう。

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データとシステムのつながり
各機能や各周辺システム単体で捉えると、対象が多すぎて、特にIT未経験の管理者のかたがたは混乱します。
また、機能一つ一つを掘り下げる目線に陥って、発揮すべき効果や価値に眼を向ける余裕がなくなります。
データや機能の位置付けをプロセスで捉えてあげると強弱をつけて、徐々に必要な知見を広げる助けになるでしょう。

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次回

次回は引き続き、第二部の解説として"第5章:会社のビジネスモデルとSalesforceの適応を考える"の事前解説を記載します。

書籍情報

「成果を生み出すためのSalesforce運用ガイド」
2024年4月30日発売(技術評論社)

https://amzn.asia/d/7XseCbS (2024年3月11日より予約受付開始済みです)

Kindle版の予約購入も開始されました。
購入時にご希望の媒体をお間違えないように注意くださいませ。
※個人的なおすすめは紙書籍(編集の都合上、左右ページにまたがる図表があるため)です。

#Salesforce本
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yousuke saeki(佐伯 葉介)
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