東京ムカデ 第24話
第24話
育三郎に誘われたパスタのお店、そこはオシャレな雰囲気で女性客が多い、ちょっと男性1人では入るのに勇気がいる、そんなお店だった。
「僕、カルボナーラが好きで色々食べ比べしてるんですよ。」
「そうなんだ!私は、ボロネーゼが好きかな。」と、言って寄子は店内を見回した。
「ほんとに、女の子ばっかり!」
「そうなんです、急に誘ってしまってすみませんでした。先日は、お家で肉じゃがもご馳走になって・・。 あの、百足さん、その」
「わたし? 独身ですよ。気楽なひとり者!」
質問を察したかのように、寄子は自分からこんなセリフを口走った。
ちょっと、気まずいような空気が流れたが、寄子が今度は切り出した。
「森君は?付き合ってる子はいないの? こういうお店も、若いかわいい子と来たらいいのに!」
「いないんです!今は気楽に友達と過ごしたりする方が楽しいし!」
そして寄子は、なぜ自分を誘ったのか聞こうとしたが、やめた。
そしてパスタのあとに、チョコレートパフェを注文して今日のこの日は楽しい思い出にしよう!と考えたりした。 パッと育三郎を見ると、純粋に食事を楽しむ表情に見えた。はいてきたヒョウ柄のスカートがむなしく思えたが、まあいいやっとパクパクパフェを食べ進めたのであった。
つづく
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