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東京ムカデ 第26話

第26話

パスタを堪能して、オシャレなお店の並ぶショッピングモールを歩きながらの帰り道。

(今日はこれで楽しかった、これでよかった!イナフイナフ。 もうすぐ夏の休みを順番に取れるし、どこか1人でパーッと行ってこようか)

などと寄子が考えながら歩いていると、寄子の少し前をあるいた育三郎があるアクセサリーのお店のショーウィンドウの前で突然立ち止まった。

「あれ?ちょっと、百足さん!このブローチ見てください!キラキラしてかわいいけどこれムカデじゃない? いもむし?」

みるとショーウィンドウに、スワロフスキーだろうか、とても可愛らしい、キラキラしたムカデらしきブローチがてんとう虫や蝶々、鳥などのブローチと一緒に飾ってあった。

「え?これ百足?? いも虫? でも可愛い‼︎ アリスの世界に出てくるような!百足もこんなに輝けるのネー!ヘェ〜珍しい」


次の瞬間、嬉しそうな寄子の様子をしばらく見て何か考えている様子の育三郎だったが、急にその店につかつかっと入っていくなり、そのキラキラのブローチをレジに持って行き、買ってきて寄子に渡したのだ。

「え??何これ ちょっとどういうこと」

「こういう百足が可愛いブローチのモチーフになったの、なかなかないですよ!初めてみましたもん。百足さん!今日のお礼にプレゼントします。バイト代も入ったところだし。」


「ヒーハー!」 寄子はあたまがアクティヴボルケーノのように噴火しそうになった。

「ええ〜〜ええ〜〜っ」と返すのが精一杯だった。

(ちょっとちょっとちょっと・・)

頭の中でまた音楽が流れ始めていた・・・。

つづく


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