東京ムカデ 第39話
第39話
育三郎が留学⁇
とにかく何も確認せずに気がついたら駅まで全速力で走り、電車に飛び乗り、空港方面へ向かった。
とりあえずゼーゼー言いながら、少し落ち着きを取り戻したところで(あれ?飛行機はどこ行きで何時なのかもわからないじゃない)と気づいた。なにをしているのだ?自分は。
そして寄子は、自分が思っていた以上に育三郎が大きな存在になっていたことを思い知ったのだった。
しばらくして息を整えてから、思い切って育三郎に電話をかけてみた。
ワンコール
ツーコール
スリーコールめに
「もしもし。」
育三郎が出た。
「ちょっと! 留学だなんて! 聞いてないし、寂しすぎるじゃないのォォォ オオーンオオーン」
勢いに任せて、ギャーっと泣いてしまった寄子。
すると、育三郎が
「あ、百足さん?
へ?留学? 今からバイトだし僕留学しませんけど?」と言った。
「だって、今日事務室で聞いたのよー! いま空港に向かって、、、」
「それ、もしかして森井君じゃないですか?!
同じ学部の。 空港に向かってるってどういうこと?百足さん。いったいなにごと??」
「・・・・・。」
「・・・・・。」
🎵スッチャカスチャラカ チャッチャッ
スッチャカスチャラカ チャッチャッ チャラチャチャチャチャチャ チャラチャチャチャ〜🎵
なぜか頭の中に、笑点のテーマソングが流れ始める寄子であった。
つづく
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