京急1500形の歴史 ⑶(アルミ車:元1600番台車 1561F~1593F)
⑴ 1500形アルミ車(元1600番台車)についての概要
1600番台は、6両or8両編成で界磁チョッパ制御がされていたグループです。こちらも更新工事を経て、8両編成に関しては4両編成の1500番台アルミ車と組成を組み替えた上で6両編成でIGBT素子VVVFインバータ制御装置を搭載した車両に生まれ変わりました。6両編成に生まれ変わった際に、車両の番号を1600番台から1500番台に改番されています。従って、2022年現在は1500形1600番台という車両は存在しません。前回、書きそびれてしまいましたがVVVFインバーター化された際に付随車化された車両に関しては車両番号を1900番台に変更しています(例:1625号車→1905号車)。
⑵ 1500形アルミ車(元1600番台車)の歩み 今回も、前回に引き続き各編成づつ紹介していこうと思います。京急の現役の車両の中では、最も理解するのが難しいのが1500形6両編成(1529編成~1593編成)です。編成の組み換えが激しく、時には8両編成、時には6両や4両編成を組むことがある。編成組み換えを、1編成づつ調べていくのは根気が要りますが頑張っていきましょう。
➀ 1561F(元1601F)
1988年1月に1601編成として、東急車両製作所(現 総合車両製作所横浜事業所)を出場しました。製造当初は、6M0Tの全車両が電動車の6両編成として登場しました。
1989年7月に、東急車両製作所で落成した付随車(1907、1908号車)を組み込んで6M2Tの8両編成になり、浅草線や京成線、北総線へ直通運転を始めました。この際に、1603号車にパンタグラフを1つ増設しました。
1993年1月に、1907、1908号車が新製された1719編成に組み込まれることになり、代わりに1637編成から1609、1610号車を組み込むことになりました。
2003年1月に、1500形の更新工事に伴い1時的に(1601-1602-1605-1606で組成された)4両編成になりました。これに伴い、1609、1610、1603、1604号車は1607編成に組み込まれることになりました。
2003年7月には、1631編成から1911、1912、1633、1634号車を組みこんで6M2Tの8両編成になりました。
しかし、1か月後の8月には、1911、1912、1633、1634号車が1631編成に戻されて、代わりに1607編成から1603、1604号車を組み込んで6M0Tの6両編成になりました。
2007年5月には、1613編成から1617、1616号車を組み込んで8M0Tの8両編成になりました。
2009年9月からは、1617、1616号車を1529編成に組み込まれて登場時と同じ6M0Tの6両編成になりました。
2010年3月に機器更新工事を受けて、床下機器を界磁チョッパ制御からIGBT素子VVVFインバーター制御に換装されました。その際に1605、1604号車を電装解除(付随車化)をして1925、1926号車に改番しました。
2013年12月に1601編成から1561編成に改番されました。現在に至ります。
② 1565F(元1607F)
1988年1月に1607編成として、川崎重工業(現 川崎車両)を出場しました。製造当初は、6M0Tの全車両が電動車の6両編成として登場しました。
1989年7月に、東急車両製作所で落成した付随車(1909、1910号車)を組み込んで6M2Tの8両編成になり、浅草線や京成線、北総線へ直通運転を始めました。
1992年12月に、1909、1910号車が新製された1725編成に組み込まれることになり、1609、1610号車を1637編成に組み込まれたことで4両編成になりました。
2003年1月に、1500形の更新工事に伴い一時的に(1601編成から1603、1604、1609、1610号車を組み込んだ)8両編成になりました。
2007年9月には、1619編成の1623、1622号車を組み込んで8M0Tの8両編成になりました。1623、1622号車は2010年4月に1549編成に組み込まれて登場時と同じ6M0Tの6両編成になりました。
2010年9月に機器更新工事を受けて、床下機器を界磁チョッパ制御からIGBT素子VVVFインバーター制御に換装されました。その際に1610、1611号車を電装解除(付随車化)をして1927、1928号車に改番しました。
2013年12月に1607編成から1565編成に改番されました。現在に至ります。
③ 1569F(元1613F)
1988年7月に1613編成として、川崎重工業(現 川崎車両)を出場しました。製造当初は、8M0Tの全車両が電動車の8両編成として登場しました。
1989年3月に、川崎重工業で落成した付随車(1901、1902号車)を組み込み、1621、1622号車を1619編成に組み込みました。6M2Tの8両編成になりました。
1994年10月には、6両編成の運用を補う為に1901、1902号車が一時的に脱車して6両編成になりました。すぐに、8両編成に戻されました。
2007年5月には1901、1902を1607編成へ、1616、1617号車を1601編成へ組み込み4M0Tの4両編成になりました。
2007年6月には、1607編成の1901、1902号車を組み込んで4M2Tの6両編成になりました。同時に、機器更新工事を受けて、床下機器を界磁チョッパ制御からIGBT素子VVVFインバーター制御に換装されました。
2014年11月に1613編成から1569編成に改番されました。現在に至ります。
④ 1573F(元1619F)
1989年3月に1619編成として、川崎重工業(現 川崎車両)を出場しました。この時、1613編成から1621、1622号車を組み込んで6M2Tの8両編成として登場しました。2007年9月には1622、1623号車を1607編成へ組み込み4M2Tの6両編成になりました。同時に、機器更新工事を受けて、床下機器を界磁チョッパ制御からIGBT素子VVVFインバーター制御に換装されました。2015年7月に1619編成から1573編成に改番されました。現在に至ります。
⑤ 1577F(元1625F)
1989年3月に1625編成として、東急車両製作所(現 総合車両製作所横浜事業所)を出場しました。6M2Tの8両編成として登場しました。
2008年9月には1628、1629号車を1541編成へ組み込み4M2Tの6両編成になりました。同時に、機器更新工事を受けて、床下機器を界磁チョッパ制御からIGBT素子VVVFインバーター制御に換装されました。
2015年7月に1625編成から1577編成に改番されました。現在に至ります。
⑥ 1581F(元1631F)
1989年6月に1631編成として、東急車両製作所(現 総合車両製作所横浜事業所)を出場しました。6M2Tの8両編成として登場しました。2003年3月に1911、1912、1633、1634号車を1601編成に組み込んで4両編成になりました。同年7月に1601編成から1911、1912、1633、1634号車を組み込んで8両編成に戻されました。2008年8月には1634、1635号車を1545編成へ組み込み4M2Tの6両編成になりました。同時に、機器更新工事を受けて、床下機器を界磁チョッパ制御からIGBT素子VVVFインバーター制御に換装されました。2015年8月に1631編成から1581編成に改番されました。現在に至ります。
⑦ 1585F(元1637F)
1989年7月に1637編成として、川崎重工業(現 川崎車両)を出場しました。6M2Tの8両編成として登場しました。1992年10月には1913、1914号車を1731編成へ組み込み6M0Tの6両編成になりました。1992年12月に1607編成の1609、1610号車を組み込んで8両編成になりましたが、翌年1月に1609、1610号車を1601編成に組み込んで6両編成に戻りました。2009年9月に機器更新工事を受けて、床下機器を界磁チョッパ制御からIGBT素子VVVFインバーター制御に換装されました。この際、1641、1640号車を電装解除をして1929、1930号車に改番されました。2013年9月に1637編成から1585編成に改番されました。現在に至ります。
⑧ 1589F(元1643F)
1991年2月に1643編成として、東急車両製作所(現 総合車両製作所横浜事業所)を出場しました。6M2Tの8両編成として登場しました。2007年3月には1646、1647号車を1541編成へ組み込み4M2Tの6両編成になりました。同時に、機器更新工事を受けて、床下機器を界磁チョッパ制御からIGBT素子VVVFインバーター制御に換装されました。2014年6月に1643編成から1589編成に改番されました。現在に至ります。
⑨ 1593F(元1649F)
1989年3月に1649編成として、東急車両製作所(現 総合車両製作所横浜事業所)を出場しました。6M2Tの8両編成として登場しました。2006年6月には1652、1653号車を1545編成へ組み込み4M2Tの6両編成になりました。同時に、機器更新工事を受けて、床下機器を界磁チョッパ制御からIGBT素子VVVFインバーター制御に換装されました。2014年5月に1649編成から1593編成に改番されました。現在に至ります。
⑶ 1500形アルミ車(元1600番台車)の今後
先日、京急電鉄の方からの資料で令和5年度に14両、7、8年度に20両づつ新車を導入することが判明しました。14両ということは、単純に考えると1500形4両鋼製車2本と同形式の6両編成1本が置き換えの対象になるものと思われます。噂では、6両編成は高松琴平電気鉄道に譲渡されるという話もあります。まだ確定したわけではありませんが、更新工事してから15年経過しており、今後の動きに注目したいですね。