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京急800形の歴史

(1) 京急800形の概要

https://raillab.jp/photo/9123/Lより引用


京急800形は、1978年に登場した京浜急行電鉄の普通ㆍ急行を中心に活躍した電車です。登場当初は3両編成でしたが、後に改造ㆍ中間車両の増備により6両編成に改造されました。床下機器は、界磁チョッパ制御と電力回生ブレーキを採用されています。これらの装置により今までの車両より省エネルギー化が出来、この事が評価されて1979年に鉄道友の会よりローレル賞を受賞しました。車体は、当時の同社の社長の意向により、片開きドア、前照灯1灯を採用しました。京急線内の普通列車で用いられるので、前面は非貫通、加速ㆍ減速力を強化しました。更に、ラッシュ時の電車の乗降時間を削減する為に4ドア車であるのも特徴的です。1986年までに、132両が製造されました。次に、各編成の特徴を記していきたいと思います。
(2) 京急800形の各編成の特徴
① 1978年度製造車

http://napo0104.web.fc2.com/keikyu/800/801/801.htmlより引用


1978年12月に、801編成~804編成の3両編成4本が製造されました。こちらのグループは、試作車と呼ばれ入念な試運転を行った後、翌年3月から営業運転が開始しました。801編成と802編成は東急車両、803編成と804編成は川崎重工で製造されています。
② 1979年6月製造車

http://napo0104.web.fc2.com/keikyu/800/805/805.htmlより引用


1979年6月に、805編成と806編成の3両編成2本が製造されました。
③ 1979年11月製造車

http://napo0104.web.fc2.com/keikyu/800/807/807.htmlより引用


807~812編成の3両編成6本が製造されました。808編成のみ、ヘッドライトが角型になっています。
④ 1980年度製造車

http://napo0104.web.fc2.com/keikyu/800/813/813.html


813~818編成の3両編成6本が製造されました。前年度、808編成で採用された角型ヘッドライトが、こちらのグループより本格的に採用されました。扇風機もせっちされました。
⑤ 1981年度製造車

http://napo0104.web.fc2.com/keikyu/800/819/819.htmlより引用


819~825編成の3両編成7本が製造されました。
⑥ 1982年度製造車

http://shitetsueast.ninpou.jp/keikyu/800-2.htmlより引用


ここまで、京急800形は全て3両編成で製造されていました。これは、梅屋敷駅のホームが4両までしか対応していないからでした。しかし、このころの京急では年々、輸送力増強が求められました。従って、800形は中間車両を製造して、6両編成を組むことにしました。梅屋敷駅の件に関しては、梅屋敷駅停車時のみ浦賀方2両分のドアが開かない様な装置(ADL)が設置することで対処しました。
この年は、813~819、823編成の中間車3両×8編成分が製造されました。
⑦ 1983年度製造車
820~824編成の中間車3両×4編成分が製造されました。1982年度までは、車体の外装は窓周りが白い塗装で製造されていました。しかし、同年に2000形が製造された為、800形は細い白帯に塗装変更することになりました。従って、これ以降に製造された800形は細い白帯塗装で製造されています。
⑧ 1986年度製造車

http://napo0104.web.fc2.com/keikyu/800/826/826.htmlより引用


811、812、825編成の中間車3両×3編成分、826、827編成6両編成2編成分製造されました。
⑶ 更新工事

http://e2311000.blog95.fc2.com/blog-entry-498.htmlより引用


1994年~2001年に更新工事が行われました。この際、3両編成の801~810編成は、浦賀方に編成番号が奇数の編成、品川方に偶数の編成を持ってきて間に挟まれた先頭車は、中間車に改造されました。その時の編成の組み合わせは以下の通りです。

←浦賀  品川→
801編成+ 802編成
803編成+ 804編成
805編成+ 806編成
807編成+ 808編成
809編成+ 810編成

⑷ 運用範囲の拡大

http://ef90no1.blog70.fc2.com/blog-category-112.htmlより引用


基本的に800形は、1500形6両と共に大師線以外の普通運用を中心に活躍していました。2002年より一部時間帯に関しては、羽田空港発着の横浜方面の快特や特急にも充当される様になりました。この運用は、京急川崎で普通→快特になる運用で、最高時速時速100キロでのダイヤになっていました。
2010年から✈急行の運用にも充当される様になりました。しかし、同年10月に羽田空港国際線ターミナル(現:羽田空港第3ターミナル)駅に3つドアのホームドアの設置されたことで、空港線での運用に就くことは無くなりました。
⑸ 廃車

http://blog.livedoor.jp/khk_news/archives/51692768.htmlより引用


この様に、羽田空港国際線ターミナル駅でのホームドア設置を皮切りに、京急の各駅では3つドアのホームドア導入が進められることになりました。しかし、800形は4つドアなので対応が出来ません。従って、2011年度より新1000形6両(1300番台と1600番台)を導入して廃車が進められました。

http://ksweb.org/etc/201705/e001931.phpより引用


2019年6月に京急800形が、引退することが決まりこれに合わせて最後まで残った823編成が、旧塗装(窓周りが白い塗装)に変更されることになりました。2019年6月16日の、臨時列車をもって引退しました。現在も、先頭車2両と中間車1両が久里浜検車区に保管されています。
これにより、前照灯1灯、非貫通、スカート未装着、扇風機、片開きドアを採用した京急の電車が全て姿を消すことになりました。




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