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Yononakaレポート㉞「チーム」

スクールで月1回開催している「Yononaka」
今回は「チーム」というテーマで計20名でYononakaを創りました!(小学生8名、中学生5名、高校生1名、大学生1名、社会人5名)

現在スクールにて、Yononakaから派生する形で「自分カイシャづくり体験」を行っております。参加者が集まってチームを作り、それを「カイシャ」と呼んでいます。11月初旬に予定されているイベントで、商品やサービスを提供することを目標に、各チームが活動を進めています。9月からは、カイシャでの活動が本格化しており、その中で「チーム」をテーマにしたワークを行いました。

まず、チームといえば何が思い浮かびますか?と尋ねました。

「スポーツ!」
「クラス!」

そうですね。スポーツなどの部活、そしてクラスあるいは生徒会、会社もチームですよね。みなさん大好きなポケモンで、他とバトルするときも「チームで戦う」という表現をしますよね。
そうしたら「家族」とか「友達」はどうでしょう?

「家族は違うかな、友達はチームかも」
「両方違うかなぁ」
「家族はチーム!」

なるほど。確かにいろんな捉え方があると思います。ひとりひとりにとってチームと捉えるか、それとはちょっと違うものか、分かれそうですよね。
チームと同じような言葉で「グループ」があります。この2つの違いって何なのでしょうか?

「・・・」
「その違いってむずかしい」

そうですよね。むずかしいと思います。なので今日は一緒に「チームとは何か」について考えていきましょう!笑
細かく見ていけば、たくさんの違いがあるかもしれませんが、シンプルに考えると「チームは何かしらの目的がある」と言えそうですよね。
例えば、他のチームと対決やバトルをしたり、あるいは今回のカイシャづくり体験のように、アイデアを形にして商品やサービスを作り上げたり。
そういった共通の目的に向かって、メンバーそれぞれが役割を果たして協力するというのが、チームにあってグループにないものだと思います。

それを踏まえ、今回はグループ共有を「チーム共有」と言い換えてみます。そして、チームで何かを創るワークをしていきたいと思います。

ワーク①「チームで話し合って答えに辿り着こう」

まず1つ目のワークは、チームで謎解きに挑戦してもらいます。
9つの席にA~Iさんの9人がそれぞれ一つの席に座っています。

上の画像のように、チャットでメンバーそれぞれに一文ずつの情報を送信します。それを各メンバーで共有しながら、情報を組み合わせて答えに辿り着いてください。
また、どうやって話し合いを進めるかについても、メンバー同士で相談しながらやっていきましょう。制限時間は10分です。


3チームで行いました。2チームは見事に答えに辿り着き、1チームもあと一歩というところでした。みなさん、自分の情報を他者に共有しながら、チーム全体で考えている姿が印象的でした。

ただ、今回の狙いとしていた「どうやって話を進めていくか」という部分に関しては、苦戦していた様子。最初に話し始めるには、やはり勇気が必要なようです。
役割をこちらから与えなかったので、最初はお互いの様子を伺いながら進めている印象がありました。しかし、情報が出そろい謎解きがはじまると、自然と会話が活発になっていきました。まず1人目として話し出すことがいかに難しいか、それが実感できたのではないかと思います。


このゲームのように、1人1人が持っている情報は異なります。それは、これまでに経験してきたことがそれぞれ異なるためであり、知っていることや体験したことも違ってくるからです。

だからこそ、チームとして共通の目的に向かうためには、各メンバーが自分のイメージや考えを共有し合うことがとても重要だと思います。そのために大切なのが「コミュニケーション」です。

コミュニケーションは、ただ単に自分の考えを伝えるだけでは十分ではありません。まず、互いの関係ができていなければ、正確に伝わるまで時間がかかります。また、自分と相手のイメージや認識の違いが大きいと、何度も繰り返し伝える必要があるかもしれません。だからこそ、言葉のキャッチボール、お互いのやり取りを繰り返し行うことが大切だと思います。

それを意識して、次のワークでは少し変わったしりとりを、していきたいと思います。その名も「連想しりとり」です。

お題②「コミュニケーションゲームをしよう」

テレビ番組の「マジカルバナナ」をご存知の方もいるかもしれません。バナナから始まり、次の人がバナナから連想する言葉(例えば「黄色」)を言い、その次の人が黄色から連想する言葉(例えば「レモン」)を言って、どんどん繋いでいくゲームです。
ひとつ注意点があります。決して他の人の言葉を否定しないことです。それぞれの連想をそのまま受け止めてどんどん繋げていく、それをルールとしてやっていきましょう!



このアナウンスの後、5分間で連想しりとりを行いました。各チームの回答はこちらです。

いい感じで連想しりとりができました。
なので、2回目は少し条件を付けました。それは「あ」で始まる言葉が出てくるたびにポイントが上がるというものです。
もちろん、必ずしも「あ」から始まる言葉だけを使わなくても大丈夫です。ただ、できるだけ「あ」で始まる言葉を意識して、どれだけ多く出せるかを楽しんでもらいました。

どうでしょうか。同じ5分間でしたが各チーム半分くらいのやり取りになりました。この結果は興味深かったですね。
何か特定の条件や目的を意識することで、連想のや視点が狭くなっていくのがわかります。チーム活動においては、アイデアや考えを広げるために自由な連想を行うことと、目標に向かって集中して進むことの両方が必要になります。しかし、そのバランスを取ることは難しそうです。
チームによって個性が出るとは思いますが、それぞれのチームがどのようにそのバランスを取っていくか、今後の活動が興味深いですね。

参加者も
「おだいがかわるだけで難しくなった。」
「別に『あ』から始めなくてもいいのに、意識していまった。」
「『あ』のストックが足りない」
など、少し苦い感想を言っておりましたね。笑



とはいえ、ワーク2ではいつも以上に言葉のキャッチボールができたのではないでしょうか?単に楽しいだけでなく、このチームで話しやすい環境ができたのであればよかったと思います。

ドラマやアニメなどで「単刀直入に言おう」というセリフを見たことがある人もいると思いますが、実際には、よほど信頼関係が築かれていない限り、そういったストレートな話し方では相手が身構えてしまい、スムーズなコミュニケーションは難しいものです。
だからこそ、会社などでも大事な会議や話し合いの前には必ず「アイスブレイク」を行います。「昨日何してた?」とか「最近何にハマってる?」といった何気ない雑談をすることで、話しやすい雰囲気を作っていくのです。それがこれからする話とは全く関係ないことであっても、話しやすい環境づくりという点において、こういった雑談は必要になってきます。

このあと休憩を挟み、後半へ。


先ほど、ワーク①のまとめで「メンバー1人1人が持っている情報や経験は異なる」という話をしましたが、それによってチームにおいて「自分ができること」も異なってきます。たとえば「カイシャづくり」の役割で考えると、プレゼンの経験が豊富な人は「お客さんに伝える役割」、お金に詳しい人は「お金を管理する役割」などです。

ですが、チームにとって必要な役割に適任者がいない場合、自分は経験がないけれど思い切ってチャレンジしてみたいこともあるかもしれません。それも大いにやってみるべきだと思います。こういった場合にも、チーム内のコミュニケーションが鍵になってきますね。

もちろん「カイシャづくり」だけでなく、学校の部活動や文化祭、体育祭などでもチーム活動は行われます。大人になって、たとえ会社に所属しなくても、仕事はひとりで完結できません。必ず今後の人生でチーム活動に関わっていくでしょう。
だからこそ最後のワークでは、もう一度「チームとは何か」「メンバーとは何か」について、考えを深めていきましょう。

ワーク③「グループや班と違って、チームには何が必要か? また、そのチームに欠かせないメンバーはどんな人?」

グループや班と違って、チームには何が必要か?
また、そのチームに欠かせないメンバーはどんな人?

みなそれぞれ考え抜いた意見がでました。特に欠かせないメンバーでの意見で「リーダーと、リーダーの決断を実行に移す人」というのが印象に残りました。 確かに、実際にリーダーが決断してもチーム全体が同じ方向を向いていないと行動に移せません。リーダーの決断と、それを支えるメンバーの実行力が互いに補完し合うことで、チームが効果的に動き、目標に向かって進んでいけるのだと思います。



最後に「リアクションを送ること」の重要性についてお話しします。
これからの社会では、LINEやDiscordなどのメッセージアプリを使いながら仕事を進める機会がますます増えていくでしょう。その際に、たとえば誰かが発信したメッセージに対して、受け取った人が心の中で「いいね」と思っていたとしても、それを表現しなければ発信者には伝わりません。画面上でリアクションを表示しなければ、黙っているのと同じです。

今はリアクション機能が豊富になり、スタンプなどを使って気軽に反応を示せます。そこは面倒くさがらずに、発信者のことを考えてメッセージとして残すべきだと考えます。それによって、発信者の安心につながるのであれば、誰でもすぐに行動を起こすべきだとも思います。

もちろん、何でもかんでも「いいね」とか「イエス」と言う必要はありません。「自分は少し違うなぁ」と思ったら、リアクションと同様にそれを表現することが大切です。ただし、その際は全否定するのではなく、提案するような形で伝えるのがよさそうですね。「自分はこう思うけど、どうかな?」といった優しい声かけをすることで、発信者に対してもより前向きなコミュニケーションができるのではないでしょうか。
そうすることで、思わぬところで発信者のアイデアが広がったり、新たなモノが生み出されるきっかけになるかもしれません。それがチーム全体の創造性を引き出すきっかけになるとおもしろい!と思います。

また、チームというと「心をひとつに」とか「心を合わせて」というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、必ずしも見方や考え方まで同じにする必要はないと思います。

それでは、せっかくの個々の違いや多様な考えが失われてしまうので、それを大切にしながらチームとして、一人ひとりの個性を活かして活動するのが理想です。

会社は「法人」と呼ばれるように、個人とは違う存在として、メンバーそれぞれで「1人の人」として、目的に向かっていけばいいのではないでしょうか。何かと戦うときも、何かを創る時も、何かしらの目的に向かって「共創」することが、チームとしての強さになると思います。個々の違いを活かしながら、より豊かなアイデアを生み出していければいいですね!

参加者の感想の一部を以下に記します。
・夏から蒸し暑いのあとに台風が来ると思っていなくて答えられなかったのが悔しかったです。
・〇〇くんの、お題③「他の人には出せないアイデアを出す」ということが革新的だなと思いました。
・マジカルバナナで個性的な意見が沢山あって印象に残った。
・みんなの意見を聞いていて、リーダーの役割が重いと思った。

授業レポートは以上になります。
次回は「告知」をテーマに、参加者同士コミュニケーションを取りながら考えていきたいと思います。


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