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言葉の二重奏-コミュニケーションと自己洞察-

最近本を読んでいて、「言葉は伝達するだけでなく思考の道具でもある」と気づきました。
難しい文章に出会ったとき、「どういう意味だろう?」「これと同じような意味かなぁ」と、思いを巡らせることで新しいことに気づくことがあります。また、同じ本を2回読んだ時、1回目とは違う思考や連想が生まれることもあるかと思います。これらから、言葉は他者と話すためだけのものではなく、自分自身との対話、つまり自分の考えを整理する手段であることに気づかされます。

自分自身との対話、それは「もう1人の自分」と会話する感覚かもしれません。自分と自分で一緒に考えたり、アドバイスをもらったり。この感覚は「メタ認知」ともいえると思います。
「リフレクション」という本の中で「認知の4点セット」という考え方でメタ認知のことが書かれていました。自分の言葉(意見)は、今までの経験やその時の感情、自分の中にある価値観によって作られるといわれています。

熊平美香「リフレクション(REFLECTION) 」18ページ,22ページを参照に作成

例えば「犬を見た」という同じ出来事でも、犬が好きな人と苦手な人によって、出来事に対する捉え方が違ってきます。そしてその捉え方は「犬を飼っていた経験」や「犬に吠えられ噛みつかれた経験」によってつくられています。
つまり、解釈や感じ方は人によって違います。そしてそれによって、言葉(意見)の量や質も変わってくるのです。

Yononakaでも、同じ問いにする参加者の意見がさまざまで、「こんな見方があるんだ!」と新鮮な気持ちになります。他の人と意見を共有することは、自分を見つめ直す(メタ認知する)機会にもなると思います。
他の人の考えと自分の考えを並べてみることで、自分自身を客観的に見ることができます。そうすることで、自分の感情や過去の経験、大切にしている価値観を再確認できるでしょう。

また、何かで悲しくなったときや、何かに悩んでいるときに、「その何かがわからない」というのが1番辛いことだと思います。それは大抵自分が本当にどんな気持ちを持っているのかが見えていないことが、そう感じる根本的な理由です。その際も、メタ認知して自分の感情を言葉にすることができれば、心のもやもやが晴れていき、気持ちが楽になるかもしれません。

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