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Yononakaレポート㉛「表現」

本番でどう表現したら相手に伝わるだろう?
どんなパフォーマンスをすれば聞き手の心を動かすことができるだろう?

正解のないお題に対し、参加者同士コミュニケーションをとりながら、テーマの理解を深める「Yononaka」
今回は「表現」をテーマに、計22人でYononakaを創りました!(小学生10人、中学生5人、高校生1人、大学生1人、社会人5人)

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発表会で自分の作品を知ってもらいたい!
プレゼンで自分の想いを伝え、相手に行動してもらいたい!
そう考えるときにまず必要なのが「準備をすること」です。ストーリー構成、スライド、具体的な言葉など、事前に準備することはいくつかあります。
しかし、最終的に大切なのは、本番でそれを「どう伝えるか」だと思います。そこが崩れてしまうと準備したことが無駄になってしまう・・・
準備した内容を最大限に活かすためには、本番で「どう表現するのか」を考えることが不可欠。その点についてじっくりと考えていきました。

ワーク①「聞き手の心を動かすパフォーマンスに大切なこと」

1分間1人で考えてから、5人のグループで共有していきました。

いきなり多様な意見が出てびっくりしました。普段からスクールで発表する機会を経験しているからこそ、そのシーンをイメージして考えることができているのかと思います。
参考程度にパフォーマンスについてまとめたことを共有しました。

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ぼそぼそではなくハッキリと。小さい声よりも大きな声。早口で終わらせようとするのではなく、ゆっくり丁寧に。この辺りの話し方は基本だと思います。
ただ、本番では意外とできていなかったりします。特に早口になってしまわないように、気を付けたいですね!

次に話し方以外の部分を紹介します。

まずはアイコンタクト。学校で先生と目が合ったら当てられる、といった経験ありますよね?(笑)
あれは先生が「〇〇くん聞いてくれてる」と思うから当てちゃうのです。つまりコミュニケーションの確認をしているということ。ずっと見つめなくてもいいので、ポイントポイントで聞き手を見ることで伝わっているかの確認ができるといいですね!

表情や手振りも重要なポイントです。ただやりすぎには注意したいところ。また意識しすぎると肝心の内容が薄まってしまうことも・・
ずっと真顔で話すことがなければOKという具合でいいと思うので、取り入れてみましょう。

というように、話し方だけでなく「カラダの使い方」も紹介したのですが、なぜカラダを使うと思いますか?

『耳で聞くより目で情報を見る方が覚えやすいから』

するどいですね!まさにそれを今から伝えようとしていました!(笑)
人は見た目に影響されやすいと言われており、こんなデータがあります。

メラビアンの法則と呼ばれますが、コミュニケーションにおいて、目からの情報、耳からの情報、話の内容の順に、影響を受けやすいというデータがあります。
だからといって注意したいのは「何を話しても関係ないんだ」というわけではありません。同じ内容であれば、見た目や声を意識したパフォーマンスの方が影響を与えられるということです。

たとえば同じ「明日は晴れる」というのを伝える場合、左の人はデータを根拠に言っている、右の人は今日晴れたことを根拠に言っている、としても見た目や声が優れている方が信じやすいということです。
つまり、何を話すかよりも「どう話すか」という部分の方が、相手に何かを伝えるうえで重要になってくると思います。

そうゆう面で、本番で「どう表現するか」について考えておくことが大切ですが、どんなに準備をしても、うまくいかないことがあります。
その原因の一つが「緊張」です。

『フォントこわっ』
『ホラーやん』

そうですよね。でも緊張ってこわいですよね?
どうですか?緊張したことないって人、なかなかいませんよね。

なのでここからは「緊張をぶっとばす方法」について、考えていこうと思いますが、、そもそも「緊張」ってなんだと思いますか?

『からだがそわそわしたり、できるかどうか不安になること』
『頭が痛くなるって人もいるらしい』
『プレッシャー』
『手足が震える』

なるほど、いいですね。
「緊張」という言葉をググってみました。
そうすると、「ココロやカラダが引き締まること」と書かれていました。
意外にも「不安」や「恐怖」という意味は含まれていないんですね。実際には、心と体がキュッとなる感覚のことを「緊張」と呼ぶ感じでしょうか。
先ほど、緊張したら「手足が震える」「頭が痛くなる」という意見が挙がりました。他に「筋肉が硬くなる」「心拍数が上がる」「汗をかく」といった反応もありますよね。
これらの反応ってなんで起きるんやろう?カラダがいたずらしているんかな?

『うーん、なんやろ』
『原因は脳みそにあるんじゃない?』
『脳みそが怖いと判断するから?』

おっいいですね。
まさに、脳みそが「これから怖いことが起きるよ!」と知らせてくれているといわれています。脳がこれからの状況に対して恐怖を感じると、ココロとカラダをきゅっとさせる、つまり緊張状態になるというイメージですね。

なので、恐らくいたずらではないのだと思います。これを踏まえて、次のワークで「緊張をぶっとばす方法」を考えていきますが、完全に消すことはできないと思います。緊張を「和らげる」といった方がしっくりくるんじゃないかな?
なので、緊張を少しでも和らげる方法について考えていきましょう。

ワーク②「緊張を和らげるためにはどんな方法があるだろう」

ここでも多様な意見が出ました。
緊張をしたことがない人もいて、『緊張の「ドキドキ」ではなく、楽しみで仕方がなくて心拍数があがっている状態、ちょっと言語化が難しいけど(笑)』と言ってくれました。
そこから自身の緊張体験や、どの場面で緊張するか、何人いたら緊張するか、といったところまで、緊張にまつわる話をしていきました。

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「こわい」と、どうして緊張してしまうのでしょうか?
それは人間の特性によるといわれています。
マンモスがいた時代、つまり狩猟採集時代と呼ばれるころ、人間は常に恐怖と共に生活していました。そのため、体を固めたり、呼吸を速くしたりすることが生き延びるために必要だったのです。

でも、今の時代は違います。失敗しても命を落とすことはないでしょうし、マンモスは来ません(笑)
そういう意味では、緊張してココロとカラダがきゅっとする必要は少ないと思われます。

なので発表は怖いものではありません。恐れずに挑むべきものだと思います。
そして、経験を積むことで、体も自然と「発表は怖くない」と感じるようになります。また、失敗を恐れる気持ちは、発表する人なら誰でも感じるものです。失敗しても大丈夫という気持ちで、ドキドキわくわくを味わっていきましょう!

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ここで5分間の休憩を挟み、後半のワークに移りました。

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前回の6月に「きくとは何か」というテーマでYononakaをしました。その時に、話を聞いてもらえない状況で「話を聞いてください!」と少し怒って言ったとしても、相手の本当の興味を引き付けるのは難しいという話をしました。

では興味を持ってもらうためにどうするか?前回は聞き手側から、話を聞きたいと思える人や状況について考えていきました。
今回は話し手の立場から、興味を持ってもらうにはどうしたらいいのか、考えていきたいと思います。

少し条件をつけます。「発表開始10秒で」興味を持ってもらうにはどうするか、それを次のワークで考えていきたいと思います。

ワーク③「発表開始10秒で興味を持ってもらうにはどうしたらいいだろう?」

ユニークな意見が出ましたね。自分の意見を共有するときだけでなく、他の人の意見を聞く際も楽しそうにしている参加者の様子が印象的でした。

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なぜ「発表開始10秒」という条件をつけたのかというと、冒頭がとても大事だからです。
たとえば漫才では「つかみ」をいいます。開始10秒程度で一笑いを取り、その後の流れを作ることが重要になってきます。同様に、音楽でも冒頭のイントロや歌い出しがが魅力的でないと、その後を聞こうという気持ちにはなりにくいですよね。

それはプレゼンにおいても言えることです。冒頭の数秒で聞き手の興味を引き付けるために、仕掛けを用意することが効果的です。

そのはじまりのパターンを3つ紹介します。
まずは問いかけ。質問をすることで聞き手に考えてもらいます。聞き手は「答えが知りたい」という気持ちから、続きを聞く興味が湧いてきます。

次に予想外の言葉。聞いたことのない言葉や驚きのある言葉を使うことで、聞き手に「え?」と思わせ、聞こうという気持ちにさせます。

そして問題提起。悩みや困りごとを伝えて、その大変さを訴えかけることで、聞き手の関心を引く方法です。

これらのパターンやワーク③での意見をふまえて、最後のワークでは実際に発表を行うことをイメージして、はじりの言葉を考えていきたいと思います。

ワーク④「28(日)開催の発表会(プレゼン大会)のはじまりの言葉を考えてみよう」

1人1人発表をイメージして考えてくれてよかったです。「バレたからさらに本番では面白いの考えないと!」と言ってくれた参加者もいました(笑)

最後に今日考えたこと、伝えたことをまとめます。
まず、発表において事前準備は重要ですが、それ以上に本番でどう表現するかというパフォーマンスが大事になってくる、そういう意味で今日のワークをしていきました。

聞き手の心を動かすパフォーマンスに大切なことは何か、ワークをした後に代表的な話し方やカラダの使い方についてお話しました。

どう表現するか、事前に意識してもなお襲ってくるものがあります。それが緊張。
しかし、それは「怖い」と思った時に表れる人としての反応であり、大昔の危険と隣合わせだった時代から続く人間の特性。今の時代はたとえ失敗しても命は取られないから怖がらなくて大丈夫。

勇気をもってチャレンジしよう!発表は経験を積むことが大事で、それによって「怖い」という気持ちも和らいでくる。
といった話をしていきました。

それに加えて最後に伝えたいこと。
発表において1番重要なのは熱量だと思います!
これを伝えたいんだ!という想い、自分はこんな人間でこんなことができるんだ!聞いてくれ!という熱量、ここが1番重要じゃないかと思います。想いはテクニックを超え、どんな形であれ聞く側に届くものだと思い、最後にお伝えしました!笑

参加者の感想の一部を以下に記します。

Q,ワークをふまえて、発表で意識したいことは何ですか?
・真顔でずっと話すのではなく、笑顔や質問を挟み、アイコンタクトをしようと思います。
・会話の中で、どうしても聴いて欲しいことがある時に、みんなが言っていたはじめの言葉を参考にしようと思った。
・自信を持って、じぶんのペースで。

Q,他の参加者の意見で、一番印象に残ったこと は何ですか?
・ゴジラのキャラクターのキャラクター以外のキャラクターって知ってますか。という始めの言葉。めっちゃ内容が気になりました。
・全く緊張しない人がびっくりした。自分はめっちゃ緊張するから
・みんなすごい意見を出していて、じぶんの考えと 比べてみたり、納得したから印象に残った。
・奇想天外な質問を最初に投げかけること。 驚いたところが印象的。

授業レポートは以上になります。
次回は「地域」をテーマに、参加者同士コミュニケーションを取りながら考えていきたいと思います。


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