わかりやすく話す(7):具体的・実践的な事を語る
聞き手の利害にどう結びついているかを最初に語るとよい、という話です。
当然のことですが、人は自分の興味に合うものに対しては熱心に聴き集中して考えますが、自分と関係がないと思うことには見向きもしません。
「だからあなたはこうすれば、こういうよいことがあるのです」という視点からの具体的で実践的なコメントを入れると相手の耳目を引き付けることができます。
抽象的な結論を格調高く掲げても、それが自分とどんな関係があり、自分は具体的に何をどうすればいいのかが理解されないと、わかりやすい話にはなりません。
このようなことを「わかりやすい話し方の原則」の第二に位置付けたのは、話のわかりやすさ以前に、相手がわかろうともしないのでは、伝わりようがないことを多々経験したからでした(笑)。
例えば、わたくしはマレーシアに出張したことがあり、マレーシアでの障害者雇用事情について、わかりやすくなるように精一杯工夫をこらしてポスター発表を用意したのですが、ほとんどの人は目の前を通り過ぎ、一顧だにされないのでした(笑)。
日本での活動改善のヒント満載なのですが、初めから心を閉じている人には、まずわかろうとする氣を起こさせないと、届きようがないのでした。
話の中身が聞き手の利益とどう結びついているのか、そこをわかりやすく示すのも、わかりやすい話の条件なのだと痛感したのでした(笑)。(極意塾投稿No.401)