事前対策:事前対策が希薄なための失敗の数々
心の中でのメンタルムービーで過去を生き直す……少し危険な面もありますので、よほど条件が整っていない限り、他の方にはお勧めしません。
しかし、よりよい生き方のヒントないしは解答を得るには良い方法だと思いますので、わたくし自身は制限すること無く自由にやっています(笑)。
何度も繰り返しやり直したレースのもう一つは、中学3年、1月20日の耐寒マラソンです。
8㎞ほどの未舗装の道を走るレースでした。
わたくしは、中学時代の陸上部で悔しい事をさんざん経験したものですから、中学時代最後のこのレースに、我ながらすさまじい集中力で臨んでいました。
毎晩のように、家の前の道で激しいトレーニングを重ねていました。
マラソン大会一週間ほど前のある晩、8㎞走をしていて、残り200メートルとなり、ラストスパートをかけました。
その瞬間、ブチッという音がして、右足太腿の裏側に激痛が走りました。
肉離れでした。
これでレースは始まる前に終わってしまいました(笑)。
本番は、どうせすぐ駄目になるのがわかっていましたので、わざと先頭に立ちました。意外にも1キロほどは走り続けられて、「ひょっとしたらこのまま走れるかも……」と思った途端、痛みが出始めて、それまででした。
そこで止めても良かったのですが、後はジョギングのような感じで痛みを欺し欺し走っていました。
ゴールが近くなって、前を行くS君の後ろ姿を見るうち、猛然と悔しい想いがこみ上げてきて、最後の50メートルを全力で走ってS君を追い抜いたのでした。
「あぁ終わったなぁ。惨めなまんま終わったなぁ……」と思うと悔しさが爆発!、その場でバク転をしていました。パッパッと手の砂を払っていたら、ムッとしたような顔の教頭先生と目が合いました。
その教頭先生が、全体講評で皆を前にして言い放ったのが「全力を出さなかった者もいる!」という言葉でした。
それを聞いていて、「この教頭先生にも分からないだろうなあ。全力を出さなかったんじゃあない、出せなかったんだよ! それが悔しくてのバク転だったんだよ。まぁゴール直後にバク転なんかしているのを見たらそう思うのも無理もないか……しかし、俺は違う! 俺ならバク転をせざるを得なかったその心まで見抜く! 俺ならそういう大人になれる!」などと思っていたものでした(笑)。
これはゆくゆくカウンセラーという仕事に就くことになる原体験の一つです。
こんな失敗体験が多い人生でした。
しかし、もし事前対策という観点がしっかりしていたらどうだったか!……まったく違った展開になっていたのは間違いないのです。
以下、次回に(笑)。(極意塾投稿No.443)