💤ともしびに花を

こちらの流れをお借りしています。

▼お借りしました！
いるいさん宅：アマナちゃん

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　触れた手が、焼けるほど熱かった。
　その表情が、目が眩むほど眩しかった。
　だから、痛い、と、思った。

「なにそれ、」

　言葉を、吐き捨てる。
　少し息を整えて、挑発的に笑って見せる。

「……表情が見たいって前にも言ってたけど、顔を見るのが好きなの？」
「前のバトルの時に言ったね。覚えていてくれて嬉しいな」

　しかし彼女は、柔らかな春の色は、決して手を離そうとはせず、怯みもせず、言葉通り、嬉しそうに微笑んだ。

「趣味……なのかな。花が太陽に照らされるような、そんな表情を見るのが大好き」

　ああ、彼女は。
　自分とは住んでいる世界も、見えている景色も、抱いている感情も、希望も、願いも、きっと何もかも。
　全部、全部、全部、全部、全部、全部、全部、全部、違うんだ、と。

　きっとこの暖かな色は、終末 僕の願いなんて心から望んでいないんだ、と。

　分かっていた。分かり切っていた。当たり前だ。知られようとも思っていなかった。この思いは自分だけのものだ。ずっと、ずっと、それなのに。
　何故か無性に、腹が立って仕方がなかった。

　手を払う。軽く突き飛ばしたら、彼女は小さく悲鳴のような声を上げて地面に尻餅をつく。彼女のパートナーたちが瞬間にピリついて、警戒を始めたのが分かる。ジジさま―――アーネラの、少しだけ悲しそうな声が聞こえる。それも構わなかった。
　一歩、近付いて、屈む。視線を合わせる。

「……僕の願いが叶ったら 終末が来たら」

　微笑む。
　きっとこれは、彼女の望むものではないと知っている。

「見られるかもね？」
「願い……？」

　その場から動かないまま、彼女は言葉を返す。
　強い眼差しが、こちらを見ている。

「……理解できないと思うよ。アマナには、一生ね」

　彼女の髪が揺れる。メロエッタの歌がずっとずっと聞こえている。
　この苛立ちの中に、ぽつり、と、一つだけある、懐かしさのようなもの。温かくて、優しくて、ずっとそこに留まりたくなるような、ともしび。

　その灯は一瞬にして消えてしまうことを。
　シックス ヒロは良く、知っている。