✉️縁に連るれば唐の物を食う
こちらの流れをお借りしています。
▼お借りしました!
常鳥さん宅:カルサさん
「ガラスと宝石を使った雑貨屋みたいなもんだけど、気に入ったのがあったらぜひ買っていってよ」
そう言って差し出された名刺を流れで受け取って、素っ頓狂な声をあげてしまったイゼットは、名刺を見て、目の前の女性を見て、名刺を見て、を繰り返す。
そして最後に女性を見ると、快活そうな笑顔でウインクを一つ。
「それで十分の詫びになるからさ」
そう言われてしまっては何も言い返すことが出来ず、しかし次いで出てきたのは純粋な感情だった。
「お店やってるんすか!」
「そうだよ。ポケモンたちが出した素材を使って、ガラス細工を作ってるのさ」
「そんなこと出来るんすね!?すげー!」
キラキラとした眼差しで女性を見れば、女性は少し得意げに笑っているように見える。
「今度、絶対伺いますね!オレ、毎日どこかしら飛び回ってるんで、ノアトゥンに行く機会もよくありますし」
答えると、女性はへえ、と感嘆を漏らす。
「何かそういう仕事でもしてるのかい?」
女性からの問いにイゼットはようやくはっとして、自分の鞄をごそごそと漁り、メモ帳とペンを取り出してさらさらと字を連ねていく。
書いた紙をメモ帳からちぎると、ぽかんとした様子の女性に差し出して、
「えっと、オレ、イゼットっていいます。名刺……みたいなの持ってないんすけど、配達員やってます!」
心底楽しそうな、人当たりの良い笑顔を彼女に向ける。
「これ、オレの連絡先です。荷物でも、手紙でも、人でも、運んで欲しいものがあればいつでもどこでも届けるんで!」
良かったら頼ってくださいね、と付け足すと、帽子を咥えていたピピがそれをイゼットの頭へ被せて、子供を褒めるように満足気に一声した。