✉️全部勘違い

こちらの流れをお借りしています。

▼お借りしました!
いるいさん宅:シンイチロウくん
※まだ自己紹介をしてないので名前の描写がありません。すみません。


「そんなことさせねぇ!俺とバトルしろ!」

 そう言って手に持ったモンスターボールを突き出す紫髪の彼に驚きと勢いでいいぜ、と返してしまったものの、そもそもなぜバトルを挑まれているのかが、イゼットは皆目見当もつかなった。
 それ、と荷物のことを差していたように思ったが、届けられたくない理由でもあるのだろうか。
 しかし、そんなわけにはいかない。この荷物を待っている人がいる限り、いつでもどこでも届けるのがイゼットのモットーなのだ。

「なんかよくわかんねーけど、そっちがその気ならやってやる!」

 抱えていた迷子のチルットを脱いだ帽子の中へ納めて、ちょっと待っててくれな、と声を掛けて手近な草むらの上に置く。警戒心など全くない様子でチルットはすやすやと寝息を立てていて、起きる様子はない。目線でピピに見守っておいてほしいと伝えると、その意図を組んだピピは仕方ないわね、とでも言わんばかりにその横についた。

「ぜってー取り返す!」
「はあ?あれは盗品なんかじゃないっすよ!ちゃんと依頼があって……」
「何言ってんだよ!盗んだのはお前だろ!?」
「オレは盗んだりしねえ!」

 なんだか疲れた様子で息巻く相手に少し心配になりながらも、売られた喧嘩を買わないわけにはいかない。それに、こちらに非はないのだ。ないはずだ。少なくとも、イゼットの意識化の中では。
 どうしてか噛み合わない会話に少し困惑しながらも、バトルのパートナーを考える。ピピにはチルットを見てもらっているし、ナハトはヴァニルシティまでの長距離を飛んできてもらったばかりだ。ならばスピード勝負でラオかアルバか、と思考を巡らせていた時だ。

「アルバ!?」

 ぽんっと軽い音を立てて、モンスターボールから飛び出してきたのはヒノヤコマのアルバだ。バトル好きでじっとしていることが苦手な彼は、その匂いを嗅ぎつけて飛び出してきたのだろう。激しく一声して、やる気十分な様子だ。

「よっし、やるか!アルバ!」

 もう一度返事をするように一声したアルバは、空へと高く舞い上がる。それを見た紫髪の彼も、モンスターボールを握りしめた。

「覚悟しろ!」

 そういえば彼がチルットがどうとか、ピチカートがどうとか……と言っていたような……それに、そんなに悪い奴には見えないんだよなあ、などとイゼットの頭を一瞬よぎりはしたが、そのことはバトルに向き合った瞬間彼の頭からすっぽりと外れてしまったのだった。



シンイチロウくんからのバトルをお受けします!

▽アルバ/ヒノヤコマ♂
【性格】いじっぱり
【特性】はやてのつばさ
【持ち物】なし
【技】ニトロチャージ、アクロバット、とんぼがえり、おにび

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