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自叙伝「#車いすの暴れん坊」#37 介護制度は旅行でも使わせろと病院で使えない介護制度

介護制度は旅行でも使わせろ

今の介護制度は、24時間の介護制度が整っている市町村もあれば、そうでない市町村もある。

これによって地域で生活することができたりできなかったり、自治体の財政が圧迫されたりする。なぜ、こんな制度にしてしまったのだろうか。本来、憲法でいう平等の考え方から言えば、どこの地域に住んだとしても同じサービスが受けられるべきではないか。

下手をすれば、福祉サービスが整ったところに障害者が集中し、それを防ぐためにサービスを低下させるような自治体も出てきそうだ。

それに家庭や外出で使う分にはいいのだが、旅行先での介助は基本的に認められていない。自治体によっては移動支援の中で、若干、認めているところもあるが、考えてみてほしい。

例えば、自宅で使えて旅行先で使えないのであれば、当然そこには介助者に払う介護の費用が実費でかかってくるわけである。重度の障害者の場合、それを実費で払ってまで旅行に行くであろうか。

そのことによって、旅行に行くのをやめるのであれば、せっかくお金を使おうとしていることを邪魔していることにはならないだろうか。

例えば家にいれば、普通に介助を使う。その介助を旅行先で使うことができれば、行政の介助費用としては同じだ。しかし、大きな違いは、旅行先に行くときに使う交通費であったり宿泊費であったり、飲食であったり、そういう経済効果があることだ。旅行先で使えないと規制することによって、経済効果の足を引っ張っているとしか思えない。

もちろん旅行だけに限った話ではない、冠婚葬祭なども、皆さんに普通にあるように、障害者や高齢者にもある出来事なのだ。特に死にごとは大変だ。

親の死に目に会えない障害者を何人も見てきている。盆正月の帰省も毎年のように相談がある事例のひとつだ。実家に帰って使える介護サービスがない、計画時点で組み込まれていない。

実家での社会資源の不足が原因であることが多い。本来、介助というのは、どこにいても使えるべきである。それは、旅行であっても、実家に帰省する場合も、病院であっても。


病院で使えない介護制度

現状では、病院で介助制度を使うことはできない。一部、コミュニケーション支援事業として、言語障害のある方や、頸椎損傷で呼吸がしにくい方などが使える制度がある地域もあるが、基本的には介助制度を使うことができない。

しかし現状はどうだろう。病院にはお年寄りを含め、介助が必要な人がたくさんいる。在宅では 10時間や15時間の介助が必要な人が病院に入院したとして、看護師さんにそれだけの介助をする時間があるだろうか。

日本は医療行政にしても極めて貧困な国なのだ。看護師はどこもてんてこ舞いの中、それでも時間をとって介助してくれるのか。ナースコールを押しても5分、10 分と来ないこともある。

俺が入院していたときも、隣の病室のお爺ちゃんは、認知症があるようで、一日中、
「看護師さん~お願いします~。助けてください~」
と、言い続けていた。

四六時中、ナースコールでも呼ぶので、看護師さんも無視状態。だから、本当に苦しくて呼んだときは、間に合わないだろう。

本来ならば、ナースコ ールを押したらすぐ来るのが当り前のことなのだろうが、忙しくて行けないという事 情もあるのだろう。

ただこれは大変な問題だと思う。呼吸困難となりナースコールを 押して、5分後に来てみたら亡くなっていたなんてことは起こり得る事故ではないだ ろうか。在宅でも病院でも同じように介助が必要なわけだ。

だから病院でも介助制度が利用できるようにするべきだと俺は思う。俺も何度も入院しているが、その度に不便な思いならまだしも、命の危険を感じたことが何度もある。

家族や兄弟が近くにいる人はいいが、家族がいない人もいるだろう。今の制度のままでは必ず事故が起きる。いやもう起きていても、それはうやむやにされているのかも知れない。

病院での介助は認めないという制度を作った人も、一度、病院での入院状況を見てみるといい。

どれだけ看護師さんが忙しく動き回り、ナースコールを押しても来られる状態にはないか。そして、そのことによって重度の障害者がどれだけ辛く怖い思いをしているか。

病院は完全看護だからヘルパーを配置する必要はない。これは現場を知らない人の意見だ。もっと看護師側からも、重度の障害のある高齢者や障害者には介助がつけられるように行政に働きかけるべきだ。事故が起きてからでは遅い。

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ユニバーサル別府


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