自叙伝「#車いすの暴れん坊」#32 障害者のユニバーサルデザイン専門学校
俺はいつか、ユニバーサルデザイン・コーディネーター養成のための専門学校を創りたいと思っている。障害者の専門学校だ。
この学校ではユニバーサルデザインに関するあらゆることを教える。パッケージデザインや標識、ハートビル法、障害者や高齢者が使いやすい住宅、設備、自動車のデザイン、そしてこの専門学校を卒業した者が各企業に就労できるように、しっかりとしたパイプをつくり出口を確保する。就労先はいろんな企業が考えられるだろう。
例えば、今どこの車両メーカーも車いすが後ろに乗せられる福祉車両をつくっている。しかし、ユーザーの満足するものは少ない。俺から言わせれば、こう工夫すればもっと使いやすいというアイディアはいくつもある。
それは俺が大きな電動車いすに乗っていて、実際にリフト車やスロープ車のユーザーだから分かることである。もっとフックを掛けやすくした方がいい、もっとスペースをとった方がいいなど、いろんな点が考えられる。
こういう知識を持った障害者を自動車会社が雇用することで、もっと素晴らしい福祉車両が生産されるようになる。
また建設会社であれば、ユニバーサルデザインの生涯住宅、一生涯住める家、ユニバーサルデザインのアパート、ユニバーサルデザインのマンション、ユニバーサルデザインの店舗、ユニバーサルデザインのビル、ユニバーサルデザインの百貨店など、すべての建物に対してユニバーサルデザインをコーディネートすることができる。
大きな企業であれば、そういう人を企業の中で、企業全体、企業の建物内のユニバーサルを考える部署に据えることもできる。
ドイツではそういう専門学校がある。その専門学校を出た人がハンコを押さないと建築許可が出ないということを聞いたことがある。
日本でもぜひ、障害者によるユニバーサルデザインの専門学校を創りたい。