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自叙伝「#車いすの暴れん坊」#35 ユニバーサルデザインホテル

もうこの話を始めて20年くらいになるだろうか。別府に住み始めてからずっと思っていることだ。

この頃、やっとホテルの中に1部屋か2部屋、ハンディキャップルー ムというものがあるホテルができてきた。

確かに全然ないよりは格段によくなった。しかし設備は俺から言わせるとまだ全然不十分だ。軽度の障害がある車いすユーザー にしか対応できていない。もっと工夫をすれば重度の障害者でも使えるハンディキャ ップルームになるのに。

しかしもっというなら、やはり全館ユニバーサルデザインの ホテルを造るべきだ。ユニバーサルデザインと言ってもそんなに難しいことではない。

まずはトイレ、お風呂の広さを確保すること。すのこを上手く使って、軽度でも重度 でも健常者でも使えるような設備にする。ベッドも、できればリクライニング機能のついたベッドがいい。

もちろん病院にあるような介護用ベッドではダメだ。今、セミダブルの健常者が使うようなリクライニングベッドはいくつも商品化されている。それを使うことでデザインを壊すことなく、ユニバーサルルームができる。もちろん一般のビジネスホテルよりは料金が高くなるのは当然だ。


でも旅行に行くことを考えてほしい。ビジネスホテルに泊って安い旅行をしたいと いう人もいるだろう。しかし、高齢者、障害者がそういつも旅行に行くわけではない。旅行に行くときに、不自由な思いはしたくない。

自宅にいればリクライニングベッド もあり、自分で使えるトイレもお風呂もあるという生活をしていて、それで旅行先に 行ったら普通のベッド。お風呂も入れません、トイレも使えません、そんな状態で誰 が旅行に行きたいと思うだろうか。

新幹線にも車いす専用の個室や車いすでいれるス ペースができたり、どんどん良くなっている。しかし、旅行に行った先で不便な思い をするのであれば、初めから旅行に行こうとは考えないだろう。

そして、全館がユニ バーサルデザインであれば、老人ホームの慰安旅行、療護施設の慰安旅行などにも対 応できる。

ヘルパーが必要であれば、今、自立支援センターおおいたがやっているバリアフリー観光センターに頼めば、単発の介助者も紹介することもできる。

自宅から 最寄りの駅まで来てもらえば、そこに迎え に行くこともできるし、お風呂やトイレや 食事、ベッドへの移動、必要なときだけに ヘルパーを雇うこともできる。

これを自宅 から連れて行こうと思えば、当然、自宅か らの介護料、そして、旅費、交通費や宿泊 費、食事代も必要になるかも知れない。でも、現地で必要な分だけ調達できれば、格段に 安くて済む。


さらに家族旅行で考えた場合はどうだろう。例えば旅行に車いすのお婆ちゃんを連れて、家族で旅行しましょうといった場合に、家族がお婆ちゃんの介助をすることを考えると、たぶん旅行の楽しみは半減するのではないだろうか。

設備が整っている、ユニバーサルデザインでできている。そして介助者が使える。こういう状況があれば、旅行に行こうと思わないだろうか。そういうことが不便で旅行に行かない高齢者、障害者は日本中に数えきれないほどいるだろう。

当然、海外からもそういう高齢者や障害者が日本に来てくれるためには、これからのホテルはユニバーサルデザインで造らなくてはダメなのだ。

今俺は、一組限定ユニバーサルデザイン温泉宿を作ろうとしている。別荘風の一戸建てを建て、セミダブルのユニバーサルデザインリクライニングベッドを2台置き、ベッド用リフトをつける。温泉は源泉かけ流しで、ストレッチャーでもはいれる広さにし、専用リフト付。庭では大勢でバーべキューも楽しめるパノラマ眺望の宿だ。

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ユニバーサル別府

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