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写真展『鉄道憧憬』-天童市美術館-(1)

いきさつ

初めて海外の鉄道に触れたのはタイでした。1994年26歳の時です。

バンコク・ドンムアン空港の側にある駅から乗った列車にはエアコンがなく、デッキの扉も開けっ放し、窓から、デッキから車内に、熱気を帯びた風が吹き込んできます。

駅や車内は乗客で賑わい、
車内には物売りが次々と現れて活気に満ちています。

「そうそう、欲しかったのはこの活気!!」

溢れた嬉しさが、身体の隅々まで広がってゆくのを感じるほどでした。

やがてタイから東南アジア、東アジアへと、少しずつ訪問先を広げ、
約30年間に世界26ヶ国を訪問し、24ヶ国の鉄道を訪ねてきました。

アジアと日本の鉄道を撮影するなかで、人々や情景をテーマに、
1999年から2021年まで、幾度か個展を開催。主な写真展は・・・

1999年『タイ鉄道旅情』富士フォトサロン(東京)
2003年『Asian Train Love』富士フォトサロン(東京・大阪・名古屋)
2010年『木造駅舎』山形鉄道西大塚駅舎内(山形)
2011年『アジアン鉄道で行こう』コニカミノルタプラザ(東京)
2013年『I Love Train-アジア・レイル・ライフ-』キヤノンギャラリー(東京・大阪・仙台・札幌)
2013年『バングラデシュ・レイルライフ』PHOTO GALLERY UC(東京)
2016年『ときのしずく』エプソンイメージングギャラリー エプサイト(東京)
2017年『Hello Goodbye』キヤノンギャラリー(東京・大阪・名古屋)
2020年『鉄道幻風景』富士フイルムイメージングプラザ(東京・大阪)
2021年『夜汽車の刻』コミュニケーションギャラリー ふげん社(東京)

他にも個展を開催してきましたが、上記の写真展はパネルのサイズも大きかったため、展示を終えた作品を実家に送っていました。

保管場所だった実家2階の6畳間は、梱包されたパネルでいっぱいになっていたのですが、両親ともに亡くなり、家屋を取り壊すことになりました。

行方を失いかけた作品を、天童市美術館が保管してくださる運びとなり、
この度の写真展『鉄道憧憬』が実現したというのが経緯です。

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