L:47 色眼鏡で見る世界
2023.11.19
サウジに住んでた時に、サングラスをかけるようになった。
最初は、度のないサングラスかけていたのだけど、掛け替えるのが面倒になってある年、一時帰国したときに偏光レンズを入れたメガネを買った。だいたい、ZoffかJINSで買っているのだが、写真をみるとJINSだった。
偏光レンズって何?って人はこちらを。簡単に言うと、外にいる時はサングラスのようにレンズが黒っぽくなり、室内に入ると普通の眼鏡のようになるレンズのことだと思ってほしい。
日本に帰国してからもこの眼鏡をかけるのだが、偏光レンズとはいえ、色の変化に時間がかかる時もあるようなので(自分が感じるより黒かったりする)、帰国してからは職場にはかけていかなくなった。
とはいえ、日本も日差しが強い日が多いと思うので、休みの日にはこの眼鏡をかけることが多い。
一年ほど前、ふと思うことがあった。どうも休みの日にこの眼鏡をかけて外に出ると、世界がきれいに見えるのだ。何気ない風景が美しく見える。
その頃、心身不調気味だったこともあり、“あ〜休みになると景色がきれいに見えるなんて、自分も相当、仕事で疲れてるんだなぁ”と思っていた。
その後、仕事を辞めて、休んでいる時はずっとこの眼鏡をかけて散歩をしていて、毎日、何気ない風景でさえ、色鮮やかなのだ。ここにきて、なお、気持ちの持ちようで見え方が変わってくるもんだなと、腑に落ちていた。
しかし、ある時、眼鏡をかけないで外に出ると、いつもの道の普通の風景であることに気づき、もしや、これは眼鏡の影響があるのではと思い、いろいろ調べてみた。Googleで「偏光レンズ 景色きれい」と(笑)なんのひねりもない。
これは当時見つけた記事ではないが、似たようなことが書いてあるサイトはちょこちょこ出てくる。
要は、実際に偏光レンズで景色をみると、裸眼や普通の眼鏡よりもきれいに見えるのだ。偏光レンズで通すと、光の乱反射が抑えられ、うんぬんかんねん(あとは自分で読んでほしい)
つまり、私の気分の問題ではなく、本当にきれいに見えていたのだ(笑)
イメージがわきにくい人のために言うと、写真アプリで加工する時に「ビビッド(vivid)」というフィルターをかけた感じ。全体的に鮮やかになるような。
休みの日に私の目に映る風景はビビッドに盛られた風景だったのだ(笑)それはきれいに感じるはずだ。
偏ったものの見方を表現する時に「色眼鏡で見る」と言うことがあるが、私は色眼鏡で世界をポジティブに偏って見ていたとも言える。目の色が違うと、光の見え方が違うらしいが、もしかしたら、同じ目の色をしていたって、個人差があるだろうし、見え方って違うかもしれないなと、このことを通して、納得がいくようになった。よくよく考えれば、色覚検査があるわけだし、人によっては見えにくい色もある。
きれいな赤ですねと鳥居の「赤」を指しても、私と他人とでは違う「赤」だということは大いにあり得る。二人とも「赤」を見ているという認識は一致していてもだ。そして、それを毎日、くりかえす。生きていれば、当然、見える世界の蓄積も違ってくるはずだ。それは「色」のような話だけではなく、ものの考え方にだって影響を与えるだろう。
自分の隣にいる人が、自分と同じ風景を見ているという前提は、時に乱暴だということだろう。自分がすばらしいと思った景色を見ても感動しない人がいたとして、それは、その人の感受性が足りないとかではなく、単純に見えているものがこちらと違っているだけだということを、いつも頭の隅に置いておきたい。